サステナビリティ

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地域環境との共生

[環境保全対策]

◇原子力発電所

 原子力発電所では,放射性廃棄物が発生しますが,発生量の低減に努めるとともに,徹底した管理を行っています。
発電所周辺の放射線測定データについては,自治体主催の会議における学識経験者の評価により,原子力発電所からの影響による異常がないことを確認しています。
 発電所周辺の人が受ける放射線量は,運転開始~1998年度を通して規制値を十分下回る実績でした。

●原子力発電所周辺の放射線量評価結果
単位:ミリシーベルト/年
運転開始~1998 規則値
玄海原子力発電所 0.001未満 1
川内原子力発電所 0.001未満
*1年間に受ける一人当たりの自然放射線の量は1.1ミリシーベルト

放射性廃棄物の処理について

◇低レベル放射性廃棄物

 原子力発電所から出る低レベル放射性廃棄物には, 気体,液体,固体のものがあります。
 気体,液体のものは,建屋内の処理装置で適切に処理し,安全を確認した上で大気と海に出しています。
 固体については,アスファルトなどで固めてからドラム缶に密閉します。このドラム缶は,発電所内の固体廃棄物貯蔵庫で厳重に保管した後,青森県六ヶ所村にある低レベル放射性廃棄物埋設センターに輸送し,安全に埋設処分されます。

●低レベル放射性廃棄物の処理概要
低レベル放射性廃棄物の処理概要図


低レベル放射性廃棄物は焼却などの減容化によって発生量の低減に努めており,原子力発電電力量の伸びに比較して発生本数は低く抑制されています。


●低レベル放射性固体廃棄物の累計貯蔵量(1998年度末)
単位:本(200lドラム缶)
所内貯蔵量 搬出量*
玄海原子力発電所 16,088
(16,197)
5,280
(4,440)
川内原子力発電所 7,541
(6,855)
-
(-)
合計 23,629
(23,052)
5,280
(4,440)
(カッコ内は1997年度末)
*低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県)への移送・貯蔵分


◇高レベル放射性廃棄物

使用済み燃料からウランやプルトニウムを回収した後で残る高レベル放射性廃棄物は,強い放射線と熱を持っているため,耐久性,耐熱性,安全性に優れた「ガラス固化体」に固めます。
そして,30~50年間,冷却と放射能の減衰のために,青森県六ヶ所村にある専用の施設に一時的に貯蔵し,最終的に地下数百mより深い地層に処分する方針です。
◇使用済み燃料輸送容器のデータ問題

1998年10月,原燃輸送(株)が所有する使用済み燃料輸送容器の中性子遮へい材データの一部書き換えが判明しました。
この問題を受けて当社は再発防止対策等今後の取り組み及び容器の遮へい安全性評価結果について通産省に報告しており,今後は品質管理の徹底などによる再発防止に万全を期すことにしています。
(平成10年10月,12月および平成11年2月公表)

◇火力発電所

関係自治体と環境保全協定を締結し,地域の状況に応じた諸対策を実施し,環境保全に万全を期しています。なお,環境データは遠隔監視システムで伝送され,地元自治体でも監視しています。
●発電所の環境データ遠隔監視システム(例)
発電所の環境データ遠隔監視システムの図説
 当社は,硫黄酸化物(SOx),窒素酸化物(NOx)の排出を抑制するために,燃焼方法の工夫や排煙脱硫装置・排煙脱硝装置の設置などを実施しており,火力発電電力量当たりのSOx,NOxの排出量水準は,極めて低く,国際的にもトップレベルの実績となっています。

●当社のSOx,NOx排出原単位推移(火力発電電力量当たり)
グラフ


●SOx,NOx排出原単位の国際比較(火力発電電力量当たり)
SOx,NOx排出原単位の国際比較グラフ

[周辺環境との調和]

 発電所などの緑化については,構内に樹木や芝生を植える方式に加えて「緑の創造,復元,周辺環境との共生」を目指した,『ふるさとの森,鎮守の森』の創造に努めています。 樹木や芝生を植えた構内のようすの写真
緑化された玄海原子力発電所周辺のようすの写真
玄海原子力発電所周辺緑化

[有害物質削減]

◇PCB

 PCBを用いた機器については,厳重に保管・管理しており,その状況については,国に定期的に報告しています。 無害化処理技術についても,調査,検討を進めています。

◇ダイオキシン

 当社は,法規制対象の廃棄物焼却炉(処理能力200kg/h以上)を12施設保有していますが,これらのダイオキシン濃度は国の排出抑制基準を大幅に下回る値となっています。