サステナビリティ

  • このリンクをシェア
  • ツイート

《温室効果ガスの排出実績と対応基本方針》

地球温暖化の原因となる温室効果ガスのうち,電気事業に最も関係が深いものは,火力発電用の化石燃料の燃焼によって発生するCO2(二酸化炭素)であり,日本で発生するCO2の約4分の1が電気事業分で占められています。  従って,電気事業における地球温暖化対策としてはCO2対策が重要であり,九州電力は「電気の供給面」と「電気の使用面」両面の対策を進めています。

●日本の温室効果ガス排出量(1997年度)
日本の温室効果ガス排出量グラフ
出所:「環境庁資料」及び「電気事業における環境行動計画」から作成



【電気の供給面での対策】
 九州電力は,発電時にCO2を排出しない原子力発電や新エネルギーの導入,化石燃料の中でも比較的CO2排出量の少ないLNG(液化天然ガス)発電などを推進しています。
 その結果,お客さまが使用する電力量当たりのCO2排出量である使用端CO2排出原単位は,1999年度で0.305kg-CO2/kWhとなり,前年度から約6%,1990年度から約32%減少しました。

●発電電力量構成比と使用端CO2排出原単位
発電電力量構成比と使用端CO2排出原単位グラフ
*1 玄海原子力3号機運転開始  *2 玄海原子力4号機運転開始



【電気の使用面での対策】
 情報提供やコンサルティングなど,お客さまによる省エネルギーへの支援を行い,電気の使用に伴うCO2排出量を低減するよう努力しています。
  以上のような需給両面の対策の結果,1999年度のCO2排出量は,2,230万トン-CO2となり,前年度から90万トン-CO2(約4%),1990年度からは270万トン-CO2(約11%)減少し,1990年度以降,使用電力量の伸びより抑制されています。

●使用電力量とCO2排出量
使用電力量とCO2排出量グラフ

CO2排出量の図説



参考 地球温暖化に関する動向

 【日本の温室効果ガス排出動向】

 1997年12月の気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)では,先進国(市場経済移行国を含む)の温室効果ガス削減目標などを定めた京都議定書が採択されました。日本における温室効果ガス総排出量(暫定値)は,京都議定書の基準年12.7億トンに対し,1997年度では13.8億トンと約9%増加しています。
 日本の目標である「基準年から6%の削減」を行うためには,今後15%程度の削減が必要であり, あらゆる部門・個人の取り組みが必要とされています。


●日本の温室効果ガス排出量の推移
日本の温室効果ガス排出量の推移グラフ
基準年:1990年 (HFC,PFC,SF6は1995年) 出所:環境庁資料(1999年)

●日本の部門別CO2排出量構成比(1997)
日本の部門別CO2排出量構成比(1997)グラフ
外円は発電に伴う排出量を電力消費量に応じて最終需要部門に配分した割合。
内円は各部門の直接排出量の割合(括弧の数字)

注)四捨五入のため,シェアの合計は必ずしも100%にならないことがある。
   パーセント表示は,排出総量に対する割合を表わす。
   「その他」には統計誤差及び潤滑油等の消費に伴う分が含まれる。
出所:環境庁資料

【世界のCO2排出動向】
 世界のCO2排出量は,約228億トンと推定されています。現在は,京都議定書で数値目標が定められた先進国が約6割を占めていますが,将来は開発途上国の排出量が先進国を上回ることが予想されるため,今後,先進国の取り組みはもちろんのこと,技術移転などによる開発途上国を含めた取り組みが重要となってきます。

●京都議定書の概要
対象ガス

CO2,メタン,亜酸化窒素(N2O),代替フロン(HFC,PFC), 六フッ化硫黄(SF6)の6種

目標期間
第1期は2008年~2012年
基準年
1990年(HFC,PFC,SF6は1995年を使用可)
削減目標
先進国の排出量合計を1990年度から
最低5%削減
(日本▲6%,米国▲7%,EU▲8%など)
吸収源
1990年以降の植林・伐採などによる吸収・排出を排出量にカウント

柔軟性措置
(京都メカニズム)

(1) 排出量取引
先進国による排出枠の市場取引
(2) 共同実施
先進国間の国際プロジェクトによる排出削減
(3) クリーン開発メカニズム(CDM)
先進国と途上国間の国際プロジェクトによる排出削減
発効要件
(1) 55カ国以上の締約国が批准
(2) 批准した先進国のCO2排出量合計が
先進国総量の55%以上
上記2つを満たして90日後発効

【COP5の概要】
 1999年10月から11月にかけて,COP5(気候変動枠組み条約第5回締約国会議)がドイツのボンで開催されました。概要は次のとおりです。

京都議定書について,日本を含む多くの国が2002年までに発効することが重要であるとの見解を表明。
京都メカニズム(共同実施,CDM,排出量取引)の制度及び吸収源の扱いについて,COP6での決定に向けて論点・日程などが決定。
COP6を2000年11月にオランダ・ハーグで開催すること及び2回の準備会合(6月,9月)により, 一層の交渉促進を図ることが決定。

2000年11月に開催されるCOP6では,京都議定書の早期発効を目指して,京都メカニズムや吸収源に関する実質的決定に向けた重要な交渉が行われる予定です。