経営方針・経営計画

長期経営ビジョン

長期経営ビジョンの概要

  • 当社は、創立以来50年以上にわたって、お客さまの日々の生活、そして地域社会の発展に欠くことのできない電気を安定してお届けしてきました。
  • 現在、経済社会の情勢は、原油価格の大幅な変動や金融情勢の不安定化、世界的な景気の後退など、先行きの不透明感が急速に高まっています。また、長期的には、世界的なエネルギー需要の増大やエネルギー資源制約の強まり、地球環境問題の重要性の高まりなど、大きく変化していくものと考えられます。
  • このような状況においても、当社は「ずっと先まで、明るくしたい。」をブランドメッセージとする「九州電力の思い」の実現に向けて、安定した電力・エネルギーをしっかりお届けすることを通じて、お客さまの快適で環境にやさしい毎日に貢献していくという使命を果たし続けていかなければなりません。そのためには、経営の方向性を定め、全社員が一丸となり、取組みを推進する必要があります。
  • 電気事業の設備形成は、大型電源や基幹系輸送設備の建設など20~30年という非常に長い期間が必要であり、人材・組織に関する体制づくりについても業務運営体制の確立や技術継承など、10年単位の期間が必要です。このように非常に長い事業サイクルを持つ事業の特性から、リードタイムを踏まえ、“今、着手しないと手遅れになるおそれがある”課題への取組みが必要です。
  • こうした経営環境の大きな変化と電気事業の特性を踏まえ、この度、四半世紀ぶりに「長期経営ビジョン」を策定しました。
  • この長期経営ビジョンに基づき、全社員が認識を共有し、取組みをすすめていくことで、持続的に企業価値を生み出していきます。

【参考:理念、ビジョン、方針、計画の位置づけ】
理念、ビジョン、方針、計画の位置づけと、その対象期間、意義・目的を表した図

 1.経営環境の長期的な見通し
経営環境は、長期的にみると、以下のように大きく変化していくと考えます。
エネルギーセキュリティや地球環境問題の重要性が高まります
    【エネルギーセキュリティの重要性の高まり】
 
  • 世界的な人口の増加や、発展途上国の経済成長に伴い、世界のエネルギー需要は長期的に増大していく見込みです。
  • 石油をはじめとする化石燃料は有限であり、エネルギー資源の供給面での制約が強まります。
  • 世界のエネルギー需給の構造的なタイト化を背景に、資源ナショナリズムの動きが強まり、燃料確保が困難化するとともに、エネルギー価格を始めとする資源価格の高騰が懸念されます。
   
    【地球環境問題の重要性の高まり】
 
  • 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次報告書によると、地球の気温はこの100年で0.7℃上昇しており、温暖化の大部分は人類の活動による温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が非常に高いとされています。
  • 地球温暖化は、生態系への影響や災害の甚大化など、人類の生存基盤に関わる問題として、その重要性が高まっています。
  • 将来の温暖化の影響が少ないとされる2℃以内の気温上昇に抑えるためには、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量を2050年には少なくとも半減させる必要があるとの認識が世界的に高まっています。
  • 電気事業においても、CO2の排出量削減が非常に重要な課題となっています。また、温暖化に伴う災害の甚大化は電力供給インフラに大きな影響を与える可能性があります。
   
エネルギー需要構造の変化が加速すると考えられます
 
  • 将来的な人口の減少や省エネルギーの進展など、経済の成熟化に伴って、今後のエネルギー消費は横ばい、あるいは減少していくことも考えられますが、環境性、利便性、経済性、供給安定性などの面で総合的な優位性を持つ電力へのシフトは、これからも加速していくと考えられます。
  • 一方、お客さまのコスト意識や環境性への配慮に関する認識が更に強まっていくとともに、技術開発の進展に伴って、太陽光や水素技術、燃料電池、蓄電池など電力の供給形態は多様化し、業態を越えた競争が進展する可能性もあります。
   
当社の電力設備の高経年化が進みます 
 
  • 当社設備は経済成長に伴う電力需要の伸びにあわせて建設したものが多く、今後、長期間を経た設備が増加していきます。
  • 当社は、これまで効率的な設備形成に努めてきましたが、今後とも設計基準や仕様の見直しなど一層の効率化が求められます。また、設備の延命化や余寿命診断、稼働中の設備と近接した長期の設備停止を要する更新工事など、高度な技術を要する保全対策を行うことが必要となってきます。
   
価値観の多様化が進むとともに、少子高齢化の進展などに伴って人や業務をめぐる環境が変化していきます
 
  • 国際化やインターネットの急速な普及などに伴い、人々のライフスタイルや価値観は多様化しています。また、企業は社会的存在であるという認識が高まり、企業の社会的責任に対する要請も高まっています。
  • 少子高齢化に伴い、日本の労働人口は大きく減少していく見通しであるとともに、男女の共同参画や、ワークライフバランスへの意識が高まっています。当社グループにおいても、人材を確保して技術を継承するとともに、人や業務をめぐる変化に対応していく必要性が高まっています。

2.経営の方向性
「九州電力の思い」は、「これからも変わることなく安定した電力・エネルギーをしっ かりお届けする、そしてお客さまの快適で環境にやさしい毎日に貢献していく」という 当社の社会的使命や責任を示したものです。
当社は、大きな環境変化に直面する中で、その使命を変わらず果たし続けていくために、 以下の方向性をもって、取組みを進めます。
   
エネルギー情勢が大きく変化する中でも、環境にやさしいエネルギーを安定的にお届けします
 
  • エネルギーセキュリティや地球環境問題の重要性の高まりといった大きな経営環境の変化の中においても、責任あるエネルギー事業者として、環境にやさしいエネルギーを安定的にお届けしなければなりません。
  • このため、資源調達の安定性・環境性・経済性の面で総合的に優れている原子力への取組みを安全確保を第一とし、着実に進めるとともに、再生可能エネルギーの導入拡大や設備面におけるエネルギー効率の向上、技術開発などについて今以上に推進していきます。
  • また、温暖化に伴い災害の甚大化が予想されることも踏まえ、高経年設備の計画的な更新を進めるなかで災害に強い設備を形成するとともに、運用面においても、お客さまに安定的に電気をお届けするための取組みを進めます。
   
持続可能な社会の形成に向け、お客さまや地域社会などと共に考え、行動します
 
  • 世界的にエネルギーセキュリティや地球環境問題の重要性が高まる中、これまでの経済社会のシステムを持続可能なものに転換していくことが求められています。
  • 当社は責任あるエネルギー事業者として、積極的に九州の持続可能な社会づくりに貢献していくため、その基盤となるエネルギーについて、お客さまや地域社会と協力し、非化石エネルギーへの転換や省エネルギーの推進など、九州全体のエネルギー需給構造転換に取組んでいきます。
  • 経済発展の著しいアジアを中心とした世界の動きを踏まえ、これまで培ってきた様々な技術やノウハウを活かし、対象国・地域におけるエネルギーの安定供給や効率向上、地球規模でのCO2排出量削減に貢献します。
  • また、社会的意義の大きい社会・生活の質を高める事業を展開します。
   
社員一人ひとりが仕事を通じて働きがいを得て、成長していく組織をつくります
 
  • 当社が企業価値を持続的に生み出していくためには、事業の基盤である社員一人ひとりが、その能力を最大限発揮し、「自ら考え、行動する。」ことが必要です。
  • 一方、少子高齢化の進展に伴い労働人口が減少していく中、人や業務をめぐる環境は、グループ会社を含めた人材の確保や技術の継承、社員の年齢構成など様々な課題があります。
  • 当社は、こうした課題にグループ会社を含めて的確に対応し、社員一人ひとりが仕事の成果をあげることを通じて、働きがいを得て、成長していく、そして、社員の自発性をそれぞれの職場が支えていく、そういう組織をつくります。
   
1~3で示した3つの経営の方向性に基づいた事業活動を通じ、持続的に企業価値を生み出していきます

事業活動を通じて生み出す価値
お客さまの満足
- 環境にやさしいエネルギーを安定的に供給 <環境性、信頼性>
- 経営効率化の徹底などによる、競争力のあるエネルギー価格の実現 <効率性>
- 快適性と環境性の両立した生活の提案やサービスの提供 <サービス>
持続可能な社会への貢献
- CO2排出量の削減 <環境性>
- 持続可能な地域社会づくりに貢献 <地域への貢献>
- エネルギーや環境に関する技術やノウハウの活用によるアジア、世界における持続可能な社会づくりへの貢献 <アジア・世界への貢献>
ビジネスパートナーとの共創
- 相互信頼関係を築き、協働して、共に価値を創出 <共創>
社員の働きがいや成長
- 働きがいと成長 <仕事を通じた自己実現>
- ワークライフバランスの充実 <生活の充実>
財務的な成果
- お客さま、地域・社会への価値提供を通じた財務的な成果

イメージ図
長期経営ビジョンの図説

3.目指す姿と取組み

a.電源関係 非化石エネルギーを中心とした電源構成
b.流通関係 災害の甚大化や社会ニーズ゙の変化を踏まえた供給信頼度の維持
c.販売関係 快適性・環境性の両立した付加価値の高いサービスの提供
d.技術開発関係 長期的な経営戦略の実現に向けた効果的な技術開発
e.コミュニケーション・協働 再生可能エネルギーの開発など、お客さまや地域社会など当社の事業活動に関わる全ての方々との協働によるエネルギー需給構造転換への対応
f.海外におけるエネルギー
 事業関係
九州で培った技術やノウハウを活かし、対象国・地域におけるエネルギーの安定供給や効率向上、地球規模でのCO2排出量削減に貢献
事業の社会的意義や国内事業との相乗効果などを踏まえた事業展開による成長
g.社会・生活サービス
 事業関係
保有する有形無形の経営資源を活用し、事業の社会的意義やエネルギー事業との相乗効果などを踏まえた事業展開
h.人・業務・組織関係 社員一人ひとりが、仕事を通じて働きがいを得て、成長していく組織
i.財務関係 リスク評価を踏まえた業界トップクラスの効率性の確保
厳しい経営環境の中での安定配当や自己資本比率の維持継続

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