事業概要

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玄海原子力発電所 3、4号機 第1放射化学室における火災の発生について

発生日

平成26年10月28日

発電所

九州電力 玄海原子力発電所 3、4号機(PWR、定格電気出力 118万kW)

内容

事象

玄海原子力発電所3、4号機の原子炉補助建屋内にある第1放射化学室(注1)において、化学分析用局所排気装置(注2)内の電気配線部から発煙したため、直ちに消火器により消火を行いました。
その後、消防による現場確認が行われ、火災であると判断されました。
なお、本事象によるけが人の発生や原子炉施設への影響はありませんでした。
また、放射線モニタの指示に変動はなく、作業員の被ばくや放射性物質による環境への影響もありませんでした。

原因

局所排気装置の工場製作時における施工不良により、コネクタ(注3)の接続部付近に接触不良が発生し、過負荷の状態で通電が繰り返されたことから、亜酸化銅(注4)が生成し、発熱・発火したものと推定しました。

対策

再発防止対策として以下を実施しました。

  • 当該及び同種の局所排気装置内の電気配線については、コネクタを使用しない配線方式に変更しました。
  • その他類似設備の電気配線上のコネクタ部を点検し、問題がないことを確認しました。

(注1)第1放射化学室とは、放射線管理区域内にある、放射能を含む1次冷却材系統の水等を分析する部屋であり、分析装置などが設置されている。

(注2)化学分析用局所排気装置とは、水等を分析する際に発生する有害物質を、発生源近くから局所的に吸い込み、排気することにより、作業者を保護する設備。

(注3)コネクタとは、ケーブル同士を圧着等で接続する器具。

(注4)亜酸化銅とは、電気接続部において緩みや接続不良がある場合に、接続部分での電流の断続や過熱等により生じる物質。亜酸化銅が生じると、数アンペアの電流でも高熱を発生し、周囲の可燃物が発火に至る。

「保全品質情報」とは、国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、保全活動向上の観点から、電力会社や産官学で情報共有することが有益な原子力発電所の保守・運営状況のこと。