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平助筆復古堂(4)

2015年5月29日

-筆・墨選びのポイント-

前回に続き、室町時代(1501年)創業の、日本で最も歴史の古い筆専門店・平助筆復古堂(福岡市)をご紹介します。

今回は、書道を始めたいと思っているかた、また書道を嗜んでいるけれど道具に関しての知識は乏しい…というかたへ、筆・墨選びのポイントについて、お話しをうかがいました。

種類豊富な筆の写真

平助復古堂には、種類豊富な筆が揃う

筆先の写真

まずは書き心地や文字の仕上りを左右する、良い筆の選び方です。

しっかり見極めなくてはならないのは筆先で、穂先の毛がまとまっているかどうかを見て触ってチェックしましょう。

毛繕いが十分でない筆は、穂先の表面を触るとザラザラしているそうです。

河原田明社長と河原田浩さんの写真

ちなみに「筆先をよく見ると、穂先から1本の長い毛が出ているのに気づくでしょう。

これは"命毛(のげ)"と言って、筆の芯となる毛です。書き始めや、最後のはねの部分などで文字の表情を生む大事な1本です。使うほどに摩耗していくので気にする必要はありませんよ」と、興味深い話も教えていただきました。

筆を使った後は、大きな筆はしっかり水洗いして、筆先の方を下に吊り下げて自然乾燥させます。小さな筆は水洗いを避け、濡れたティッシュやスポンジ等で軽く拭く程度で大丈夫です。大切な筆を長く愛用するには、こまめな手入れが欠かせません。

墨の写真

最後に墨の話。一見するとどれも同じに見える墨ですが、墨の純度、粘りによって差が生まれます。漢字を書く時は粘りの強いもの、ひらがなを書く時は筆が滑りやすいさらりとしたものを選ぶと良いそうです。

目的などに応じて選ぶとよいですね。

次回は、時代の変化を捉えた平助筆復古堂の変遷についてご紹介します。