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平助筆復古堂(5)

2015年6月4日

-時代の変化を捉えた平助筆復古堂の変遷について-

前回に続き、室町時代(1501年)創業の、日本で最も歴史の古い筆専門店・平助筆復古堂(福岡市)をご紹介します。

現在、10代目・河原田明さんと11代目・浩さんが店主を務める平助筆復古堂。500年以上続く歴史の中で、時代の変化をどのように捉え、同店は乗り越えてきたのでしょうか。

河原田明社長の写真

店主になった頃のことを振り返る、10代目・河原田明社長

明さんが継いだのは昭和26年(1951年)。第二次世界大戦が終わり、アメリカからの文化や品物が生活に浸透し、筆記具に関してはペンが急速に普及していった頃です。

「筆の需要が一気に減って、店の規模を縮小しました」と当時の様子を振り返る明さん。

書道教室の写真

お店の2階では書道教室を行い、書道に触れる機会をつくる

「これまで通りに筆や墨など、道具を販売するだけでは駄目だと思いました。

それで、店舗の2階を書道教室にしたり、作品が展示できるギャラリーを設けるなど、少しでも書道に触れてもらえる場所づくりをしました」。

河原田明社長の写真

また、商品として額を扱っていた同店では、新たなサービスも行うようにしました。

「額の販売だけでなく、その額に書の表装(軸装や掛け軸にすること)もしています。また、その額を展示会や飾る場所へ搬入・搬出するところまでも請け負うようにしたんです」とのこと。
お客さまには書家のかたも多く、とても喜ばれているそうです。

その他、お子さまの誕生記念などに喜ばれている、胎毛を使ったオリジナルの筆づくりなどの珍しいサービスも展開。
伝統を受け継ぎながらも、時代に合ったサービスを目指しています。

次回は、2代続く特別な筆についてご紹介します。