サステナビリティ

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(3) 新エネルギー等の開発・導入

【水力・地熱発電】
 水力発電と地熱発電は,貴重な国産エネルギーであると同時に発電時にCO2を出さない温暖化対策の面でも優れた発電方式です。
 これらのエネルギー源は,その特性上,自然の豊かな地域での開発が主体となり,資源量も多くは見込めませんが,自然景観等に配慮しながら有効な活用を図っています。
 なお,九州電力の地熱発電設備容量は全国の39%を占めています。
滝上発電所の写真
滝上発電所[地熱](大分県)

●九州電力の水力,地熱の発電電力量
九州電力の水力,地熱の発電電力量グラフ




【風力・太陽光発電】
 風力や太陽光などの自然エネルギーを利用した発電方式は,気象条件などによって発電量が大きく左右されること,エネルギー密度が低いため発電コストが高くなることなどが大きな課題となっており,現状では,火力発電や原子力発電のような基幹電源としての役割を果たすことは困難です。
 しかし,CO2などの環境負荷が少ないクリーンな電源であることから,従来から実施している社内での技術検討やお客さまからの電力購入優遇制度に加え,費用助成などの新たな取り組みも始めています。

◇新エネルギー発電設備の設置
 自社の事業所などに太陽光・風力発電設備を導入して,データ収集などの技術的検討を行っています。
 1999年度末の設備容量は太陽光発電が325kW(22箇所),風力発電が1,750kW(6基)となっています。

●九州電力の新エネルギー発電設備容量
九州電力の新エネルギー発電設備容量グラフ

◇お客さまからの電力購入
 お客さまが設置している風力発電と太陽光発電の余った電力を,九州電力が販売する電力料金と同じ単価で購入する優遇制度を自主的に設け,新エネルギーを支援しています。
 1999年度の購入電力量は,太陽光発電が395万kWh (3,735件),風力発電が282万kWh(9件)となっています。

●九州電力の風力発電からの電力購入実績
九州電力の風力発電からの電力購入実績グラフ

●九州電力の太陽光発電からの電力購入実績
九州電力の太陽光発電からの電力購入実績グラフ

◇太陽光発電設備設置者への費用助成
 太陽光発電普及に向けたより広範な取り組みとして,環境,エネルギー問題への関心が大きく,太陽光発電の普及促進に取り組んでいる環境NGO「再生可能エネルギー推進市民フォーラム西日本」が実施している一般家庭への太陽光発電普及活動に対して協力・支援を行っています。 太陽光発電パネルの設置状況写真
太陽光発電パネルの設置状況

九州電力による太陽光発電設備設置者への費用助成のしくみを示した図説

●市民フォーラムによる太陽光発電普及活動
内容
九州内の一般家庭(個人)で太陽光発電設備の設置をされる方に,その費用の一部を助成。
助成件数
1999年度実績
系統連系88件(260kW)
独立系1件(75W)
2000年度予定
系統連系165件
(独立系40件
助成額
系統連系
20万円/kW
(国等の補助金との併用をする場合。ただし,国等との助成を含めたすべての助成額が1kWあたり60万円を超える場合は減額 )
独立系
3万円/100W
(2000年度は5万円/100W)
助成規模
最大3kW
効果検証
設置後数年間,設置者から運転実績等の情報提供を受け,第3者を含めた評価会議で評価し公表する。
助成期間
1999年度から3年間
問合せ先
再生可能エネルギー推進市民フォーラム西日本
Tel 092-752-7769  Fax 092-752-7766




◇新エネルギー研究開発の助成
 九州内の研究者を対象に,太陽光発電および風力発電の利用拡大に資する研究を公募したところ,29件の応募があり,そのうち優れた研究テーマ5件に対して研究費の助成を行っています。

●助成研究テーマ
項目
分野
研究件名
研究者(代表者)











太陽光発電用超高品質アモルファスシリコン薄膜の超高速作製のためのクラスタ抑制プラズマ化学蒸着法の開発 九州大学大学院
 システム情報科学研究科
 渡辺 征夫教授
電子伝導性有機色素を用いた高効率全固体型太陽電池の開発 佐賀大学 理工学部
 機能物質化学科
 江良 正直助教授






太陽電池等価回路パラメータの推定とその太陽光発電システム最適運用への応用 熊本大学大学院
 自然科学研究科
 池上 知顕助教授
九州地域の気候特性や家庭用エネルギー消費特性を考慮した逆潮流系統連系システム出力特性の予測と運用実績に関する調査・解析 熊本大学 工学部
 環境システム工学科
 石原 修教授
風力発電
風レンズ(風の局所集中効果)による風力発電の高効率化に関する研究 九州大学応用力学研究所
 大屋 祐二教授

●研究期間
1999年度~2000年度
(2001年度 九州電力主催シンポジウムで研究成果を発表)