サステナビリティ

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Ⅰ.環境行動計画



1.環境行動計画


九州電力では,1992年12月,「環境に優しい企業活動を目指して」という環境行動計画(ボランタリープラン)を策定(1995年10月改訂)し,中長期的な観点から設備形成や技術開発,業務運営などあらゆる面において,総合的計画的な対応を図っています。
『ボランタリープラン』の活動計画
1.電源ベストミックスの推進

 原子力を中核として,LNGや石炭などの発電方式をバランスよく組み合わせることで環境負荷を軽減します。

5.リサイクル及び製品使用の長期化

 火力発電所の石炭灰の有効利用,廃棄物の再資源化,紙資源・空き缶のリサイクルなど限りある資源の有効利用を図ります。

9.社員の意識高揚

地球環境問題情報月報「環境ダイジェスト」の配布,社員への環境研修の実施 など,環境問題に対する社員一人ひとりの認識を深めます。

2.立地における環境配慮

 発電所や送電設備の建設について,国・自治体・地元関係者などと事前に協議し 周辺環境への配慮と調和を図ります。

6.特定フロンなどの使用削減

 原子力の衣類洗浄をフロンから水洗いに変更するなど,代替品への切替えを進 めます。

10.地域における活動への取り組み

環境月間,ふれあい旬間での緑化樹,苗木,花の種の配布・寄贈・清掃活動な ど,地域における環境活動を展開します。

3.環境保全対策

 発電所などの建設にあたり,適正な環境保全対策を推進するとともに運転開始 後も,各種の環境モニタリングを実施し,公的規制や自治体との協定を遵守します。

7.環境関連技術開発の推進

 燃料電池,エネルギー貯蔵装置,電気自動車,CO2回収技術など の環境関連技術の研究開発を推進します。

11.海外への技術協力

 アジアなどの諸外国からの研修生の受入れ,脱硫・脱硝技術などの環境保全 技術及び原子力発電所の安全運転管理技術について,国際交流を推進します。

4.省エネルギー

 むだのない発電,送配電方式の採用,負荷平準化対策の推進,省エネ設備の導 入,社内省エネ運動など効率的なエネルギー利用を図ります。

8.広報・情報提供活動

 地球環境問題に関するお客さまの理解と認識を高めていただくため,マス媒体 によるPR,各種イベントの実施などの活動を展開します。





2.主要課題
 九州電力は,従来より硫黄酸化物や窒素酸化物の排出削減に取り組むとともに,環境負荷の少ない原子力発電の推進や火力発電における熱効率の向上など環境保 全に資する諸施策を実施してきました。
 今後も,「地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素(CO2)の排 出抑制」,「産業廃棄物のリサイクル」,「負荷平準化・エネルギー利用の効率化」などを中心に環境活動に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

【二酸化炭素(CO2)の排出抑制対策】

 九州電力は,原子力の開発などによりCO2排出量の低減に 努め,発電電力量あたりの排出量(原単位)を1990年度のレベル以下に維持 してきております。
 発電時にCO2を排出しない原子力発電は,地球 温暖化防止に最も効果的であり,安全性を前提とした原子力の開発は,省エネル ギー方策などとともに,積極的に推進していく必要があります。


CO2排出量原単位=
CO2総排出量(炭素換算Kg)

総発電電力量(kWh)

●九州電力のCO2排出量原単位推移
九州電力のCO2排出量原単位推移グラフ

《参考》

●九州電力のCO2排出抑制への取り組み

CO2総排出量を抑制するためには,CO2排出量原単位を小さくし, かつ総発電電力量を抑制する必要があります。
このうち,CO2排出量原単位については,発電を行う九州電力 がその低減に取り組むものですが,総発電電力量は電力消費量そのものであり,主として消費サイドにおいて省エネルギーなどにより抑制することができます。

CO2排出抑制の図説
【産業廃棄物のリサイクル】

 九州電力は,火力発電所から排出する石炭灰をはじめ,年簡約50万トン の産業廃棄物を発生しており,リサイクル率は,45%となっています。
 今後も,産業廃棄物の減量化,適正処分,リサイクルの促進に努めていく必要が あります。

●九州電力の産業廃棄物処理状況(1994年度)
九州電力の産業廃棄物処理状況グラフ
【負荷平準化・エネルギー利用効率化】

 近年,冷房需要の増加により,昼夜間・季節間の需要格差は年々拡大していま す。このままでは,発電設備は,夜間,効率の低い低出力で運用されることに なり,総合発電効率の低下をもたらします。
 昼間の最大電力需要を抑制(ピークシフト)して,夜間の最小電力需要を底上 げ(ボトムアップ)できれば,総合発電効率はもちろんのこと,発電・輸送設備 の新増設も抑制することができ,ひいてはCO2排出量などの環境負荷の低減にもつながります。
 九州電力では,電気温水器や蓄熱式ヒートポンプの普及など負荷平準化対策を 推進し,設備の効率的な運用を図るとともに,省エネルギーなどエネルギー利用 の効率化を進め,環境負荷の低減に努めていく必要があります。

●九州電力の最大電力更新日の昼夜間格差推移
九州電力の最大電力更新日の昼夜間格差推移グラフ
●九州における一日の電気の使われ方
九州における一日の電気の使われ方グラフ