原子力発電も火力発電も蒸気の力でタービンを回して発電します。
タービンを回した蒸気を冷やして、もとの水に戻すための冷却水として海水が使われます。
この蒸気を冷やした海水がふたたび海へ戻されたものが温排水ですが、この温排水の温度上昇は、7度以下としています。
温排水は、放水口から出たところで周辺の海水と混ざりあったり、波や風によって大気中に熱を放出したりして次第に温度が下がります。
原子力発電所では、温排水による影響を定期的に調査する海域モニタリングを、発電所の運転開始前から毎年実施しており、これからも継続して実施していきます。
原子力発電所や火力発電所でタービンを回した蒸気は、海水で冷やして水に戻します。
世界の原子力発電所から海に放出される熱量は、現時点で温室効果ガスとして蓄積されたCO2による温暖化効果の約0.13%しかありません。
したがって、温排水による温暖化効果はきわめて小さいものです。
|
出典:
|
原子力委員会「『地球環境保全・エネルギー安定供給のための原子力のビジョンを考える懇談会報告(案)』に対する意見募集にていただいたご意見と対応」より
|
当社は、原子力発電所の運転開始前から毎年定期的に周辺海域を調査していますが、これまで、周辺海域の海生生物への影響は認められておりません。
この調査結果は、定期的に行なわれる自治体主催の会議において、当社から説明を実施しており、学識経験者からご意見をいただいています。
磯やけとは、「浅海の岩礁・転石域において、海藻の群落(藻場)が季節的な消長や多少の経年変化の範囲を越えて著しく衰退または消失して貧植生状態となる現象」をいいます。
磯焼け現象は日本各地の沿岸で認められており、当社としては、原子力発電所からの温排水が磯焼けに直接関係しているとは考えていません。
原子力発電所では、管理区域内で使った雑用水や、修理や点検時に着た作業衣を洗濯した水の中に、微量の放射性物質が混ざることがありますが、それらの廃液は蒸発処理し蒸留水にしており、また放出する場合には、フィルター等を通したうえで放射能の濃度が十分低いことを確認し、冷却水(海水)と一緒に放出することにしています。
従って、海へ放出する放射性物質の海水中での濃度は、十分低く抑えられており、人体に影響がないよう管理されています。
脆性遷移温度とは、材料を引っ張った場合に延性破壊(伸びきってちぎれる破壊)から脆性破壊(伸びが生じないで割れるように破壊)に移行する温度で、脆化(材料が脆くなる)の傾向を示すものであり、原子炉容器が割れる温度ではありません。
原子炉容器は、炉心から中性子を受けることにより照射脆化※が進むことが知られています。このため、原子炉容器と同じ材料でできた監視試験片を、あらかじめ原子炉容器に装着しておき、この試験片を計画的に取出し機械試験等を行うことによって、脆性遷移温度の上昇量等を確認しています。脆性遷移温度に基づき、原子炉の健全性を確認し、原子力発電所の安全運転に努めています。
| ※照射脆化: | 中性子は高いエネルギーを持っているため、原子炉容器を構成する鋼材に中性子が衝突すると、原子の配列に乱れが生じ、この結果、鋼材の破壊に対する粘り強さ(破壊靭性)が低下するなど特性が変わる現象。 |