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MOX燃料は、ウラン燃料と比べて放出する放射線量が多いため、作業員が被ばくする量も大きくなるのではないですか?

MOX燃料は、ウラン燃料と比べて放出する放射線量が多いため、作業員が被ばくする量も大きくなるのではないですか?

放射線の特徴を踏まえ、適切な対策をとることで、作業員の被ばく量が問題となることはありません。

解説

MOX燃料は、ウランに使用済燃料を再処理して得られたプルトニウムを混ぜて作ります。プルトニウムは、アルファ線や中性子線、ガンマ線などの放射線を放出することから、発電に使用する前のMOX燃料とウラン燃料を比べると、MOX燃料の方が放射線量が多くなります。

原子力発電所で取り扱うMOX燃料は、現在使用しているウラン燃料と同様に、ウランやプルトニウムを陶器のように焼き固めたうえで金属でできたさや(燃料被覆管)に密封されています。そのため、アルファ線による被ばくは考えられません。

一方、中性子線やガンマ線などの放射線については、MOX燃料の取り扱いの際に遮へいを施した専用の受け入れ装置による遠隔操作を行うことや、貯蔵の際には水中で保管することなどで、放射線の被ばくを少なくする対策をとります。したがって、原子力発電所の作業員が、法律で定められた基準を超えて被ばくすることはなく、さらに基準よりも低くなるように管理していきます。

放射線の種類と透過力

放射線の種類と透過力

放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線などがあります。アルファ線については、紙1枚でさえぎることが可能ですが、ガンマ線、中性子線は特に物を突き抜ける力が強いため、原子力発電所では、これらの放射線をさえぎる対策が必要となります。

MOX燃料受け入れ装置の例

MOX燃料専用の受け入れ装置の写真

発電所でMOX燃料を受け入れる際は、遮へいを施した専用の受け入れ装置を使用します。