玄海原子力発電所3号機及び4号機(共に加圧水型軽水炉,定格電気出力118万キロワット)は通常運転中ですが,計画点検工事として,平成16年9月から,海水から製造した水を一旦貯蔵するための原水タンク2基のうち1基(B原水タンク)を系統から隔離し,開放点検及び内面塗装工事をおこなっております。
3月26日,B原水タンク内の洗浄のために,水の補給と排水の繰り返し操作を行っていたところ,タンク上部の一部が変形していることを発見しました。なお,B原水タンクからの漏えいはありませんでした。
通常運転に必要な水はA原水タンクより供給しており,プラントの運転に影響はありません。また,2次系設備であり,環境への影響はありません。
B原水タンクを点検した結果,空気抜き管のフィルタが,塗装の下地処理の際に使用した鉄粉等により閉塞していました。
空気抜き管のフィルタが閉塞し,オーバーフロー管が水で満たされ空気の流入ができない状態で,タンク内の洗浄のためにタンク下部の排水弁を開けたことによりタンク気相部が負圧になり,タンク上部の一部変形に至ったものと推定されます。
対策として,空気抜き管のフィルタの点検については,作業の最終段階で実施するよう作業要領書に明記することとしました。
また,当該タンクについては,タンク上部を取り外し,新しい鋼板に取り替える補修を行います。
なお,同様な空気抜き管を有するタンクについても点検し,フィルタに詰まりがないことを確認しました。
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