エネコミ

2016年1月配信

2015年 12月21日
規制委、玄海で現地調査 九州電力の説明に「納得」/露頭・試掘溝など観察

 原子力規制委員会は18日、九州電力玄海原子力発電所3、4号機の新規制基準適合性審査の一環として現地調査を実施した。石渡明委員、内藤浩行・原子力規制庁安全管理調査官ら計10人が参加。露頭やトレンチ(試掘溝)、ボーリングコアなどを観察し、敷地内外の地質構造を確認した。調査終了後、石渡委員は報道陣に対し、活断層がないとする九州電力の評価について「見せて頂いた限りでは納得できるものだった」と話した。 規制委による玄海原子力の地質調査は初めて。調査開始に当たり石渡委員は、「これまでの(審査会合などで九州電力が行った)説明の内容をより深く理解し、今後の審査に反映させていきたい」と述べた。当日、九州電力は佐々木有三取締役・常務執行役員、中村明取締役・常務執行役員、今村博信執行役員・玄海原子力発電所長をはじめ約110人で対応した。

 石渡委員らはまず発電所敷地内の露頭を観察。続いて発電所から約5キロメートル離れた唐津市内の湾内にある小島に移動し、「佐世保層群頁岩(けつがん)」「佐世保層群砂岩」などの露頭部を見た。石渡委員は九州電力の説明を聞きながら、手で触ったり写真を撮ったりして入念に確認した。

 その後、発電所構内の倉庫に移動。3、4号機の基礎岩盤など敷地内各所で最深225メートルまでの地下から採取した、計14本分のボーリングコアを入念に観察した。

 さらに、免震重要棟予定地で地表面から19メートル掘り下げたトレンチに入り、地質の状態を丹念に見た。

 今回の調査結果について石渡委員は「今後の審査が能率的になる」と評価。また、いくつか疑問点もあるとして、今後の審査会合で確認する意向を示した。

(電気新聞2015年12月21日付2面)