エネコミ

2016年1月配信

2016年 1月5日
[2016年のエネルギー業界を占う]原子力政策/核燃料サイクルなど焦点に

◆原子力政策

 原子力政策の最大の焦点は、核燃料サイクルとバックエンド対策だ。
 経済産業省は競争環境下でも使用済み燃料再処理事業を安定的に実施するため、実施主体を新たに創設する認可法人に移し、日本原燃に委託する制度案を固めた。政府は制度変更に必要な関連法案を今国会に提出する予定。原子力発電を持つ電力会社は、使用済み燃料の発生と同時に認可法人へ拠出金を支払うことが義務付けられる。関連法成立後に立ち上げられる認可法人のトップ、外部有識者らで構成される運営委員会の人選に注目が集まる。
 高速増殖炉サイクルの中核施設である「もんじゅ」を巡っては、原子力規制委員会が昨年11月、運営主体を変更するよう馳浩文部科学相に勧告を出した。文科省は先月末、勧告を受けて検討に着手。今夏までに、日本原子力研究開発機構に代わる運営主体を探すための議論を展開する。
 原子力政策で長年の懸案だった高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定も前進する可能性がある。政府は年内にも科学的有望地を示す考えだ。

(電気新聞2016年1月5日付1面)