◆再稼働の見通し
2016年は昨年に引き続き、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査が進むPWR(加圧水型軽水炉)プラントから順次再稼働に入る。先陣を切るのは昨年末に運転差し止めの仮処分を取り消す決定が出た関西電力高浜発電所3、4号機。3号機は原子炉への燃料装荷を終え、順調にいけば1月下旬~2月上旬にかけて起動・並列する。
後を追う四国電力伊方発電所3号機は既に地元同意を取得済み。工事計画認可(工認)と保安規定変更認可が下りると今春の再稼働が視野に入る。九州電力玄海原子力発電所3、4号機、関電大飯発電所3、4号機も主要審査はほぼ完了。両社とも他のプラントとの人員の融通などが課題になりそうだ。40年超運転を目指す関電高浜1、2号機、美浜発電所3号機はそれぞれ7月、11月の審査期限が迫る。期間内の合格は楽観視できない状況が続く。
BWR(沸騰水型軽水炉)陣営では、集中審査の対象に選ばれた東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機が最も進む。今後は特に地震津波側での敷地内破砕帯の扱いが焦点になる。
(電気新聞2016年1月5日付1面)