エネコミ

2016年7月配信

2016年 6月28日
福岡高裁/玄海3号機MOX燃料、使用差止め訴訟の控訴を棄却

 九州電力玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町)におけるMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の使用差し止めを求めた訴訟の控訴審で、福岡高等裁判所(大工強裁判長)は27日、原告側の訴えを棄却した。勝訴した九州電力は安全性を確保しているという、これまでの主張が認められたもので妥当な判決としている。
 原告は「玄海原発とプルサーマル全基をみんなで止める裁判の会」で、2010年8月に燃料の使用差し止めを求め、佐賀地方裁判所に提訴。燃料棒内圧設計基準値の設定などが争点となったが、佐賀地裁は重大な事故が発生する具体的危険性はないとして原告の請求を棄却していた。
 九州電力は一審と同様、控訴審でもMOX燃料の設計において、燃料棒内圧値の評価および燃料棒内圧設計基準値の設定は適切に行っており、いったん閉じた被覆管とMOX燃料を固めたペレットの隙間が再び開く「ギャップ再開」が起きるとは認められず、それによる燃料溶融の危険性も認められないと丁寧に反論を行った。

(電気新聞2016年6月28日付2面)