原子力規制委員会の田中俊一委員長は13日の定例会見で、島崎邦彦前委員長代理の提案を受けて行った関西電力大飯発電所の基準地震動(Ss)再計算結果について、島崎氏と同日面談した原子力規制庁幹部から「『速やかに評価して頂いた。結果を見て安心した』との報告を受けた」と説明した。大飯と同じ計算式で震源規模を導いた関電高浜発電所や九州電力玄海原子力発電所のSsは「基本的に(再計算を)やる必要はない」と述べた。田中委員長は「島崎氏の提案には誠意を持って応えた。島崎氏も今回の結果を受け止めて頂いた」と述べ、十分な検証ができたとの認識を繰り返した。
一方、鹿児島県知事選で当選した三反園訓氏が熊本地震の影響を考慮し九州電力川内原子力発電所の停止・点検を公約に掲げていることについて、「我々の判断は政治的な影響を受けてはならないのが原則。規制委としては差し迫った状況にないと判断した。根拠の説明を求められれば説明するが、それ以上のことはできない」と語った。
(電気新聞2016年7月14日付1面)