エネコミ

2016年8月配信

2016年 7月22日
規制委安全審査、玄海3・4号のプラント審査が大詰めに/重大事故対策を回答

 原子力規制委員会は21日開いた第383回審査会合で、九州電力玄海原子力発電所3、4号機の重大事故対策を取り上げた。コメント回答として加圧器逃し弁の温度評価や熱影響などを説明。設備の特性を検討するため4ループプラントの玄海3、4号機とは型式が異なる同社川内原子力発電所1、2号機との比較も行った。一部で異論も出たが、施設側審査は最終局面に入った。
 同日の会合で、九州電力は重大事故対策を巡ってこれまでの審査会合で提示された4項目の指摘事項に回答。加圧器逃し弁の温度評価について詳述したほか、この弁に設置する電磁弁に熱がどう影響するかも実証試験の結果などと合わせて説明した。一部で原子力規制庁の審査官から回答をやり直すよう求める声が上がった。
 また、4ループプラントの玄海3、4号機の特性を確認するため、炉心への注水機能や格納容器冷却・減圧機能に差がない3ループプラントである川内1、2号機との設備上の相違点などをまとめ、有効性評価で使用した解析条件を比較。両発電所とも、重大事故対策に必要な機器の種類や設置台数はほぼ同様で、容量も出力に見合っているとした。
 玄海3、4号機を巡っては今月26日にも会合を開き、大規模損壊をテーマに非公開で審議する予定。コメント回答ではこのほか、電気式水素燃焼装置(イグナイタ)の信頼性確認などを残すのみとなった。
 発電所の運営に必要な人員の配置や訓練体制、品質保証活動などを見る技術的能力が了承されれば、プラント側審査はほぼ完了する。九州電力は原子炉設置変更許可の補正申請をまだ行っていないため、提出後に審査書案が固まる見通し。

(電気新聞2016年7月22日付2面)