原子力規制委員会は2日に開いた第387回審査会合で、九州電力川内原子力発電所1、2号機を取り上げた。九州電力は既設の代替緊急時対策所と一体運用する計画の耐震構造を採用した「緊急時対策棟」について概要を説明。原子炉設置変更許可が下りていた免震構造からの相違点、換気空調設備、連絡通路の仕様などで検討結果を示した。
九州電力は、既に設置変更許可を受けている免震構造を見直すことを表明。重大事故時に対策要員が作業するスペースの確保や休憩室整備を目的として、現行の代替緊急時対策所は休憩所として残しつつ、耐震構造を採用した緊急時対策棟を新設し、両者を一体運用する方針を掲げる。
新設する緊急時対策棟は地上2階・地下2階建て。既設の代替緊急時対策所とは連絡通路でつなげる。面積は約170平方メートルから約820平方メートルに拡大し、両者合わせて200人近くの要員を収容可能。チェンジングエリアの面積も8倍近くに広げる。
会合の中で、九州電力は非常用空気浄化フィルターユニットをどこに設置するのが妥当か、検討結果を提示。被ばく低減のほか、竜巻・火山灰からの影響緩和の観点から、屋上に設置する意向を伝えた。規制委側からは免震構造との比較に重点を置いた説明を求める指摘があった。
(電気新聞2016年8月3日付2面)