エネコミ

2016年10月配信

2016年 10月3日
パリ協定11月発効/EUが環境相会合で合意

 パリ協定の11月初旬の発効が確実になった。欧州連合(EU)が9月30日に開いた臨時環境相会合で協定を締結することに合意したため。EUは国内の締結手続きを終えたフランスやドイツなど加盟7カ国とともに5日にも正式に締結する見通し。これにより協定発効要件である「締結国の温室効果ガス排出量割合が世界の55%以上に達すること」が満たされ、1カ月後の11月7日の国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22、モロッコ)開幕までにパリ協定が発効する。
 パリ協定は昨年12月のCOP21で採択されてから1年足らずの早期発効となる。COP22では締結国が参加する初回のパリ協定締約国会議(CMA1)が開かれ、協定の詳細ルールづくりの工程を決める見通し。
 通常は加盟28カ国とEUの締結が必要だが、EUはその前提となる2030年の排出削減目標を28カ国に割り当てる作業を後回しにして、締結行為を優先させた。米国や協定採択を主導したフランスなどの意思が働いたもよう。排出量割合は7カ国分(4.57%)が加算される。4日の欧州議会で締結を承認し、5日の環境相会合で締結を正式決定する見通しだ。
 協定は「55カ国以上の締結」という片方の発効要件は満たし、残るは排出量割合だった。2日のインドの締結を経て、EUが発効を決定付ける。

(電気新聞2016年10月3日付1面)