エネコミ

2016年11月配信

2016年 11月10日
玄海3、4審査合格/田中委員長「運転継続積み重ねを/乾式貯蔵検討すべき」

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は9日の定例会見で、九州電力玄海原子力発電所3、4号機の審査書案を了承したのに関連し、「トラブルなく動かすことが信頼につながると、再三申し上げてきた。(九州電力)川内1号機は13カ月間継続運転できたが、そういう実績を積み重ねることが大事だ」と強調した。一方、使用済み燃料プールの容量が満杯に近づいていることを念頭に、「より安全な方法を模索するなら、乾式容器に収納すべきだ」との認識を繰り返した。
 玄海3、4号機は地震・津波関係で規制委と九州電力の見解が大きく対立した点が少なく、当初は「審査合格1番手候補」に挙げられていた。田中委員長は「地盤関係に大きな問題はなさそうで審査も進んでいたが、九州電力の判断もあり川内1、2号機を先に進めた」と、審査が長期化した理由を語った。
 使用済み燃料貯蔵方法を巡っては、稼働後数年でプールの容量が満杯になることを踏まえ、「(東京電力)福島第一原子力発電所の経験からも、プールの中にたくさん入れておくのは望ましくない。より安全な方法を追求してもらいたい」と述べた。

(電気新聞2016年11月10日付1面)