エネコミ

2016年12月配信

2016年 11月15日
[熊本地震]九州電力・黒川第一水力の一部損壊、斜面崩壊が原因/技術検討会

 4月の熊本地震で一部設備が損壊した水力の黒川第一発電所について、九州電力が設置した技術検討会(座長=松田泰治・熊本大学大学院教授)は11日、九州電力熊本支社で最終会合を開き、熊本地震の本震発生時にヘッドタンク付近で斜面が崩壊し、ヘッドタンクや周辺設備が損壊。約1万立方メートルの発電用水が流出したほか、九州電力に法的責任はないと結論付けた。
 検討会は現地踏査やボーリングなどの現地調査、当日の地震や発電状況などの記録、数値シミュレーションなどに基づいて、まず地震の揺れによる岩盤を巻き込んだ大規模な斜面崩壊が発生。斜面崩壊によって基礎地盤を失ったヘッドタンクなどの設備が崩壊した結果、短期間に大量の水が流出したため、水や土砂が集落に流入したと推定している。また、地震でヘッドタンクが損壊し、流出した水が斜面崩壊を引き起こしたとの見方を否定している。
 九州電力は、20日に住民説明会を開く予定。谷口吉信副支社長は今後、住民の要望を聞きながら、対応策を協議したいと述べた。

(電気新聞2016年11月15日付2面)