エネコミ

2016年12月配信

2016年 11月29日
[特集]電力各社の供給力(火力・原子力)

◆新大分2号系列が増出力 九州電力

 ◇新大分1―1でGT更新/異常早期発見へ巡視強化
 九州電力エリアでは、過去10年の中で最も厳しい寒さだった2011年度冬季を想定しても8~21%台の予備率を確保できる見通しだ。安定供給のために最低限確保すべき供給予備率3%を上回っている。1日最大電力量で1、2月とも1479万キロワットを見込む需要に対し、供給力は1月が1610万キロワット、2月に1631万キロワットを確保する。それぞれ予備率は8.9%、10.3%となる。
 10月6日に定期検査に入った川内原子力発電所1号機(PWR、出力89万キロワット)は17年1月に定検を終える予定だ。川内原子力2号機(PWR、出力89万キロワット)は12月中旬から、3カ月間の定検に入る。こうした運転計画を踏まえて、供給力に関する数値を算出している。
 新大分発電所2号系列の1~4軸が10月1日、定格出力の変更を行い、出力を21万7500キロワットから23万キロワットに変更し、定格出力が計5万キロワット増加した。
 高効率ガスコンバインド発電所のさらなる利用向上のため、増出力試験を行い、増出力が可能と判断して実施された。設備余裕の範囲で実施したもので、設備改造は行っていない。
 新大分発電所2号系列は第1、2軸が1994年に運転開始した。第3、4軸が95年に運開し、定格出力は計87万キロワットだった。
 新小倉発電所5号機(LNG、60万キロワット)では、2017年2月から定検に入る。発電機回転子の点検を行う予定で、17年の6月まで実施する。
 新大分発電所1号系列第1軸(LNG、11万5千キロワット)は7月下旬から17年2月にかけてガスタービンの更新工事を行っている。3号系列第1軸(LNG、24万5千キロワット)では、9月下旬から計算機および制御装置の更新を行う予定だ。
 冬季は「トラブルの未然防止」「設備異常の早期発見」「トラブルの早期復旧」の大きな3つの柱にこれまで以上に傾注する。発電グループによるパトロールに加え、保修グループや技術グループ、発電所に常駐しているグループ会社による異なる視点を活用してパトロールを実施することで、トラブルの未然防止や異常の早期発見に向けて取り組む考えだ。

(電気新聞2016年11月29日付18面)