エネコミ

2017年1月配信

2016年 12月20日
鹿児島県が原子力専門委を設置/委員に12氏

 鹿児島県の三反園訓知事は19日の定例会見で、「鹿児島県原子力安全・避難計画等防災専門委員会」を同日設置したと発表した。九州電力川内原子力発電所の安全性の確認などを行う目的で、原子力工学や環境放射線、防災関係など12人の専門家が委員に決まった。2つの部会で構成、川内原子力の安全性確認と、県および関係市町の避難計画の検証を行う。第1回会議は28日に実施。九州電力が川内1号機での自主的な特別点検結果などを報告する。三反園知事は、年度内に計画している同委員会の2回の会議を踏まえて、川内原子力に対する「総合的な判断を示したい」と述べた。
 三反園知事は同委員会について「この専門委員会は(原子力に対して)賛成か反対かを議論する場ではない」と強調。委員の人選に当たっては「専門的見地から公平公正に判断する方を人選した」とした。また川内原子力の地元、薩摩川内市の岩切秀雄市長との意見交換についてできるだけ早く行う考えを示した。
 現地視察については、原子力安全に関わる部会は川内原子力、避難計画に関わる部会は1月28日に実施する鹿児島県の原子力防災訓練を視察する計画だという。
 委員は次の通り。
 【安全性】▽釜江克宏・京都大学原子炉実験所教授▽佐藤暁・原子力コンサルタント▽中島健・京都大学原子炉実験所教授▽古田一雄・東京大学大学院教授▽宮町宏樹・鹿児島大学大学院教授▽守田幸路・九州大学大学院教授
 【防災】▽浅野敏之・鹿児島大学地域防災教育研究センター長▽相良雅史・量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所被ばく医療センター主任研究員▽地頭薗隆・鹿児島大学教授▽塚田祥文・福島大学教授▽松成裕子・鹿児島大学教授▽山内康英・多摩大学教授

(電気新聞2016年12月20日付2面)