「鹿児島県原子力安全・避難計画等防災専門委員会」は12月28日、鹿児島市内で初会合を開催した。同委員会の座長には鹿児島大学大学院の宮町宏樹教授が選出された。会議では九州電力川内原子力発電所の安全対策や自主的な特別点検の結果について、九州電力の山元春義取締役らが説明を行った。委員からは特別点検の位置付けについて質問があった。同委員会の2回目の会議は2017年2月7日に行う。三反園訓知事は同委員会で出てきた意見などを参考に、川内原子力の安全性について評価を行うものとみられる。
冒頭あいさつした三反園知事は「県行政トップの仕事は県民の安全、安心を守ることが第一だ」と話し、委員の活発な議論に期待を示した。
九州電力からは川内原子力発電所における電源供給手段の多様化など、安全対策について説明。三反園知事の要請を受け始まった特別点検については作業の様子を映した映像を流しながら解説を行った。
また、11月11日に三反園知事に同行して特別点検を視察した守田幸路委員(九州大学大学院教授)から報告が行われ、「総点検チームによって多様な視点から安全確認が行われていた」と評価。一方、課題については「特別点検の結果が安全性の向上にどのようにつながるのかを分かりやすく説明することが重要だ」と指摘した。
委員会には川内原子力が立地する薩摩川内市のほか、UPZ圏内(緊急時防護措置準備区域、半径約30キロ圏内)の市町の防災担当者などが出席。県の避難計画について担当者が説明を行った。
同委員会は2つの分科会で構成されており、それぞれ避難計画の検証と原子力の安全性の確認を行う。避難計画に関わる分科会の現地視察は、鹿児島県の原子力防災訓練が行われる1月28日に実施。原子力安全に関わる分科会は2月6日に川内原子力発電所を視察する。
同委員会は常設の委員会で年度内の活動は分科会ごとの視察のほか、2月7日の会議が最後になる。
(電気新聞2017年1月5日付2面)