エネコミ

2017年7月配信

2017年 7月10日
九州電力、玄海3、4号安全対策設備を公開/重大事故時の手順など解説

 九州電力は7日、玄海原子力発電所3、4号機(PWR、各118万キロワット)の安全対策設備を報道陣に公開した。現地では対策工事をほぼ完了した安全対策設備について、九州電力の担当者が説明。重大事故発生時も電源や冷却手段を確保できるように、多様化・分散を図っていることなどを解説した。玄海3、4号機の工事計画認可は、原子力規制委員会から近く下りる見通しだ。
 九州電力の担当者は、原子炉格納容器内や中央制御室、安全対策設備について説明した。中央制御室では、所員が確実に操作を行うため、各スイッチにカバーが付けられており、ヒューマンエラーを防ぐ対策がとられていることなどを強調した。
 大容量空冷式発電機の遠隔起動や格納容器内の水素濃度などを確認できる重大事故等対処用制御盤も公開した。担当者が制御盤の操作画面のイメージ図を指し示しながら、大容量空冷式発電機をどのように起動するかなどを説明した。
 原子炉格納容器内では、静的触媒式水素再結合装置や電気式水素燃焼装置(イグナイタ)について、どのような仕組みで水素を除去するのかを解説。水素濃度が高い場合は、発火を防ぐためイグナイタを使わないといった装置の違いについて話した。玄海3、4号機では審査に対応するための安全対策工事が2013年1月から17年4月まで行われた。

(電気新聞2017年7月10日付2面)