4月に施行された改正再生可能エネルギー特別措置法(改正FIT法)に基づく、大規模太陽光発電の買い取り価格入札が、10月27日~11月10日に初めて実施される。競争によって国民負担を軽減することが狙いで、上限価格を設定したり、ペナルティーを設けて確実な事業実施を担保したことが特徴だ。経済産業省・資源エネルギー庁は、初回の結果を見極めながら、来年度に実施される2回目以降の入札に備える方針。
入札への参加を希望する事業者は、9月15日までに経産相が指定した指定入札機関の「低炭素投資促進機構」へ事業計画を提出することが必要。政府は8日の閣議で、指定入札機関に納める手数料の額を定める政令を決定し、1事業計画当たり12万7千円とした。14日に公布・施行される予定だ。
入札制度は競争原理を働かせて価格を抑え、国民が負担する賦課金を軽減する目的から改正FIT法に盛り込まれた。当面は出力2千キロワット以上の大規模太陽光が対象になる。
初回は50万キロワット、18年度中に実施する2、3回分で合計100万~150万キロワットを入札にかける。18年度以降も年2回を予定しており、エネ庁では初回の結果を踏まえながら、検討を加えることにしている。
初回の入札上限価格は1キロワット時当たり21円に設定し、同価格以下への引き下げを狙う。落札された電源の買い取り期間は20年。運転開始期限は入札対象外の太陽光と同様に、「事業認定日から3年」と規定した。
エネ庁は、昨年10月に調達価格等算定委員会を再開させ、入札制度に関する仕組みを議論。落札者の着実な事業実施を担保するため、2段階で保証金を徴収する。認定取得までに計画を変更したり、事業を中止した場合、認定取得後に出力の増減を行ったり、運転開始時期を遅らせたりした場合に保証金を没収することなどが定められた。
(電気新聞2017年8月9日付1面)