エネコミ

2018年2月配信

2018年 2月19日
電事連勝野会長、再エネ連系拡大策検討に協力

◆事故時の電源制限ルール確立を

 電気事業連合会の勝野哲会長は16日の定例会見で、「既存の電力ネットワークを有効活用して、再生可能エネルギーの最大限の導入を目指すことは大変意義がある」と述べ、国などが進めている連系量増加手法(コネクト&マネージ)の詳細検討に積極的に協力する考えを強調した。事故時の電源遮断を条件に連系量を増やす「N―1電源制限」(エヌ・マイナス・イチ電制)と呼ぶ手法については、遮断電源の選定基準を含む運用ルールを事前に確立することが重要という考えを示した。
 大学の研究調査をきっかけに議論が巻き起こった送電線の空き容量算定の考え方を巡っては、安定供給を続ける観点から、最大潮流を想定した上で算定する方法が適切との認識を示した。その上で、最大潮流実績をベースに空き容量ゼロの送電線を見たときの利用率は「結構高い」と指摘した。
 1月下旬や2月初頭の大雪、寒波で東京電力エリアの電力需給が逼迫したことには「最大限の供給力確保に努め、安定供給は果たすことができた」と振り返った。また、悪天候になると「太陽光発電が供給力にならない一方で電力需要は伸び、ダブルで影響を受ける。そのことがはっきりしてきた」と指摘した。
 原子力発電分野ではさらなる安全性の向上を目指し、「リスク情報を活用した意思決定」(RIDM)を発電所のマネジメントに導入するための戦略プランを取りまとめたと説明。導入するには「原子力事業者自身の能力向上が前提になる」とし、発電所の課題を抽出できる技術力・組織力の向上や、リスクの定量化などに各事業者が努めていくと述べた。(2面に会見要旨)

(電気新聞2018年2月19日付1面)