エネコミ

2018年2月配信

2018年 2月20日
環境省、温室効果ガス長期削減へ方針/3月に取りまとめへ

 環境省は、温室効果ガスの長期大幅削減に向けた基本方針を3月に取りまとめる。昨年3月に中央環境審議会(環境相の諮問機関)がまとめた「長期低炭素ビジョン」、有識者検討会がまとめる「気候変動緩和策に関する国際協力ビジョン」なども踏まえて、環境省としてイノベーションを支える施策の方向性などを示す。きょう20日に開く中環審の地球環境部会長期低炭素ビジョン小委員会で、2050年に温室効果ガス80%削減を実現するための技術的課題や、その過程で創出されるビジネス機会などを整理する。
 環境省は20日に開く会合で「くらし」「地域・都市」「エネルギー」などの分野に関して、ビジネスチャンスの機会や課題などを提示する。温室効果ガスの大幅削減に向け、(1)現行の取り組みの延長(2)現行技術を普及させる経済社会イノベーション(3)抜本的削減を可能とする革新的技術――が必要であると指摘。このうち、エネルギー分野では再生可能エネルギーの主力電源化と、その実現に向けたシステム高度化の必要性について言及する。その実現過程で生まれるビジネスチャンスとして、アグリゲーションビジネスや、再生可能エネの未稼働時の供給力を補うための非常用発電機活用などを挙げる。
 40年までに実現すべきイノベーションに向けた要点も示す。くらしや地域・都市の分野では、デマンドレスポンス(DR)の一般化や次世代自動車の普及を挙げる。ただ、項目ごと定量的な目標が示されるかは不透明だ。
 長期低炭素ビジョン小委員会では、世界のエネルギー情勢や各国が示す長期戦略などを議論してきた。3月に開く会合で、環境省としての方針を取りまとめる。

(電気新聞2018年2月20日付2面)