エネコミ

2015年12月配信

2015年 11月18日
九州電力川内2号機が営業運転入り 審査申請から2年4ヵ月、再稼働工程が終了

 調整運転中だった九州電力川内原子力発電所2号機(PWR、89万キロワット)が17日、営業運転に移行した。同日午後4時、使用前検査のうち発電所の総合的な性能を見極める「5号検査」、定期検査の最終検査となる「総合負荷性能検査」に合格。今回の営業運転入りで、次回定期検査まで13カ月間の運転が可能になるため、最大で来年の12月まで運転を続ける。新規制基準適合性審査の申請以来、2年以上続いた川内原子力の再稼働プロセスが終了した。
 1号機は最大で来年10月まで、2号機は来年12月まで運転を続け、その後は定期検査に入る。九州電力によると、定検は通常2~3カ月ほどかかるが、次回どのくらいかかるかはまだ不明。
 同日、発電所内の原子力訓練センターで原子力規制庁の大場國久首席原子力施設検査官が、九州電力の須藤礼・川内原子力発電所長に、使用前検査合格証と定期検査終了証を手渡した。手交後、報道陣の取材に応じた須藤所長は「住民の方々に理解を頂くために安全・安定運転を続けることが重要」と強調。瓜生道明社長は「積極的な情報公開と丁寧なコミュニケーション活動に努める」とのコメントを出した。
 両検査は16日午後3時にスタートし、同日は書類を確認。17日は朝から原子炉の温度・圧力や蒸気発生器の流量といった各データに異常がないか確認が行われた。
 2号機は10月15日に原子炉を起動。21日に並列し、発電・送電を開始した。その後、段階的に出力を上げながら試験・調整を繰り返し、11月1日に定格熱出力一定運転へ移行していた。
 九州電力は2013年7月8日、新規制基準適合性審査を受けるため、原子力規制委員会に川内1、2号機の原子炉設置変更許可、工事計画認可、保安規定変更認可を一括申請。その後、両機が営業運転に移行するまでおよそ2年4カ月かかった。

(電気新聞2015年11月18日付1面)