エネコミ

2016年2月配信

2016年 1月18日
九州電力がエリア内低圧料金新プラン/3種設定、瓜生社長「生活多様化に応える」

 九州電力は15日、離島を除く九州域内で4月から適用する低圧顧客向け新料金プランを発表し、申し込み受け付けを開始した。家庭向けの「スマートファミリープラン」「電化でナイト・セレクト」、商店・事務所など向けの「スマートビジネスプラン」の3つ。スマートファミリープランは、300キロワット時超過分(3段目)の1キロワット時当たり電力量料金が現行の従量電灯Bより1.08円安い。あわせて、家庭向けの新ブランド「キレイライフプラス」、独自ポイントサービス「Qピコ」、生活支援の「九電あんしんサポート」について発表した。
 15日、福岡市のホテルで会見した瓜生道明社長は「お客さまのライフスタイルの多様化に応える料金メニューを充実させた」と説明。新サービスや九州全域の営業網を生かし「総体的に勝ち組になる」と決意を示した。
 新プランには玄海原子力発電所3、4号機の再稼働や今後の効率化努力を織り込んでいる。瓜生社長は「出せる原資と(顧客を)取られるリスクをどこでバランスさせるか。悩ましかったが最大限の努力をした」と強調した。
 3つの新料金プランは口座振替割引(月額54円)の適用対象外。スマートファミリープランは、月間使用量350キロワット時以上でメリットが出る。500キロワット時で試算すると、従量電灯Bに比べ1カ月当たり162円割安。加えてオプションの2年契約(2年間で1080円割引)を結べば同207円割安となる。従量電灯B契約の家庭は現在約530万件で、うち350キロワット時以上は約150万件。
 「電化でナイト・セレクト」は、季節(夏冬、春秋)、時間帯(昼間、夜間)、平日、休日ごとに料金単価が異なる。夜間時間帯は3種類から選択可能。割安な春秋や夜間、休日へ負荷移行できるオール電化などの顧客にメリットがある。
 スマートビジネスプランは、現行の従量電灯Cでは3段階の料金単価を一律22.63円とした。月間使用量550キロワット時以上でメリットが出る。
 九州域外での低圧小売りは、小売電気事業者の登録を今月申請したグループ会社の九電みらいエナジーが行う方針。
 家庭向け新サービスは詳細を今後詰める。「九電あんしんサポート」では電気の使用状況による高齢者の見守りや、電気に関する困りごと、掃除・子守・庭木せん定といった暮らし全般の困りごとを想定し、他事業者との連携も検討する。

◆九州電力の新料金メニュー
 【スマートファミリープラン】月間使用量が350キロワット時以上の需要家にメリット。契約容量は10~60A、口座振替またはクレジットカード払いが加入要件。2年契約割引もオプション追加
 【電化でナイト・セレクト】季節別・時間帯別料金を設定、オール電化住宅向け。ライフスタイルにあわせて3パターンから夜間時間帯を選択可能。契約容量は0.5キロワット以上50キロワット未満が対象
 【スマートビジネスプラン】商店など向け。電力量料金単価を3段階から一律料金に。月間使用量が550キロワット時以上の需要家にメリット。契約容量は6kVA以上50kVA未満が対象

(電気新聞2016年1月18日付1面)