九州電力は27日、松浦発電所2号機(長崎県松浦市、石炭、100万キロワット)の建設工事を再開すると発表した。運転開始は2020年6月の予定。電力小売り全面自由化を見据え、競争力と安定性を備えた電源が少しでも早く欲しいことから、数カ月の運開前倒しも検討する。発電所は超々臨界圧(USC)ボイラーを採用。発電端熱効率は45%以上(低位発熱量基準)としている。主機メーカーはボイラーが三菱日立パワーシステムズ(MHPS)、タービンと発電機が東芝。
現地での工事はきょう28日に再開される。17年上期にはボイラー据え付け、18年上期にはタービン工事を行う予定。27日に現地で安全祈願祭が行われ、九州電力の伊崎数博副社長、松浦市の友広郁洋市長、大成建設の谷内正建副社長執行役員・西日本営業本部長らが出席した。
松浦2号機は01年に工事を開始していたが、需要の伸びの鈍化や他の電源開発との兼ね合いなどから、04年に工事を中断していた。その後、東日本大震災を経て、九州電力が14年度に実施した火力電源入札で、松浦2号(送電端94万1千キロワット)の建設を自社応札し、落札が決まっていた。
工事中断までの間に、取水・放水設備工事や事務所ビルの増築などを行っている。1号機の中央制御室には2号機用のスペースがあるほか、貯炭場は現状のまま使用する。
(電気新聞2016年1月28日付3面)