エネコミ

2016年5月配信

2016年 5月11日
最終処分、科学的有望地の選定方針など解説/エネ庁が自治体向けに説明会

 経済産業省・資源エネルギー庁主催の原子力政策に関する自治体向け説明会が10日、大阪市内で始まった。エネルギー・核燃料サイクル政策や高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する理解活動の一環と位置付け、高レベル放射性廃棄物の最終処分に適した「科学的有望地」の概要などを解説した。大阪府内の各自治体から約20人が聴講した。同説明会は5~6月にかけて福島県を除く46都道府県で開かれる。
 昨年5月、高レベル放射性廃棄物の最終処分における基本方針を改定。国が処分地選定などを前面に立って取り組むことを決め、現在は科学的有望地の年内提示を目指している。
 説明会の冒頭あいさつした近畿経済産業局資源エネルギー環境部電源開発調整官の山本陽一氏は、「科学的有望地は特定の地域を指定して抽出するものではない。長い道のりで問題を解決する第一歩として考えている」と強調。国民・自治体との対話や理解活動を継続する姿勢を示した。
 続いて、エネ庁電力・ガス事業部放射性廃棄物対策課の池田眞人氏がエネルギーミックス(電源構成)における原子力の位置付けや核燃料サイクル政策、科学的有望地選定のプロセスなどを解説。原子力発電環境整備機構(NUMO)地域交流部の高橋徹治氏は科学的有望地提示後の対話活動の進め方を説明した。
 説明会終了後、報道陣の取材に応じた池田氏は「最終処分の理解活動に明確な答えはないが、まずは関心を持ってもらうことが重要。より多くの方に話を聞いて頂きたい」と訴えた。
 エネ庁は昨年も、原子力政策や最終処分に関する自治体担当者向けの説明会を開催している。今年は報道陣を入れた公開形式で行う。

(電気新聞2016年5月11日付1面)