政府は13日、2030年度の温室効果ガス削減目標達成への対策を柱とする「地球温暖化対策計画(温対計画)」を閣議決定した。丸川珠代環境相は同日の閣議後会見で「この計画を地球温暖化対策の新たなスタートとし、着実に対策を実践する」と強調。林幹雄経済産業相も同日の閣議後会見で「削減目標達成のため、エネルギーミックスの実現に向けて取り組む」と述べた。林経産相は会見で「長期的な温暖化対策の検討にも着手する」とし、長期の温室効果ガス大幅削減と経済成長の両立に向けた戦略を検討する産官学の作業部会を「速やかに立ち上げる」と表明した。
閣議では併せて、政府全体で30年度までに温室効果ガス排出量を13年度比で40%削減する実行計画も決定した。
パリ協定の採択を踏まえ、温対計画には産業・民生などの主体ごとに、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入など各種の削減対策を盛り込んだ。経済成長との両立を前提にした50年の削減努力目標も提示。抜本的な削減を可能にする革新技術の普及・開発の重要性を記載した。
経産省は5月末頃に産学の有識者が参加する作業部会を立ち上げ、エネルギー関連投資を拡大しながら長期の温室効果ガス削減を進めるための方策などを検討する。環境省も、50年の大幅排出削減に向けたビジョンの検討を今夏には始める考えだ。
丸川環境相は会見で、検討に着手したいと閣議で発言したことを明らかにした。
(電気新聞2016年5月16日付2面)