◆2017年4月1日施行
再生可能エネルギーの導入拡大と国民負担抑制の両立に向けた施策を盛り込んだ改正再生可能エネルギー特別措置法(改正FIT法)が25日、参議院本会議で可決・成立した。未稼働案件発生防止への新たな設備認定制度の導入や、入札制の導入を含む買い取り価格決定方式の柔軟化などが施策の柱。コスト低減と電源間のバランスの取れた導入を進めて、2030年度の電源構成(エネルギーミックス)で示した22~24%の発電電力量比率の達成につなげる。今後、有識者審議会で施策の詳細設計を行い、2017年4月1日に改正法を施行する。
法改正で太陽光発電に導入が偏った現状を改めて、風力・地熱・水力・バイオマスを含めバランスよく普及させる。賦課金の伸びを抑え、電源構成で示された30年度の負担上限内に収める。
新認定制度は、系統接続契約を締結した事業開始確度の高い案件を認定するもので、賦課金増加の潜在要因になる未稼働案件を防ぐ。普及が進んだ大規模な事業用太陽光は、買い取り価格を入札で決め、コスト引き下げを狙う。
一方、開発期間の長さが障害になり普及が進まない風力や地熱などは、2~5年程度先の認定案件の買い取り価格をあらかじめ決定するなどして、事業の予見性を高め、普及を促す。コスト低減を促すため、電源ごとの中長期の買い取り価格目標も設定する。
広域融通などを通じて再生可能エネの拡大を図るため、買い取り義務者を現行の小売電気事業者から、系統運用・需給調整に責任を負う送配電事業者に移す。買い取った電力は卸電力取引市場での販売を原則とし、市場を活性化する。
電力多消費産業に適用している賦課金減免制度の改正は先行して10月1日に施行する。省エネルギーの進展度などに応じて減免率を決める仕組みとし、賦課金負担を適正化する。
改正FIT法成立後は、新認定制度や送配電事業者買い取りへの移行に伴う詳細規定を有識者審議会で議論する。卸市場で再生可能エネ電源を取引しやすくする環境も整備する。入札制度の詳細や中長期・複数年度の価格設定は調達価格等算定委員会の意見を聞いた上で経済産業相が定める。再生可能エネの調整電源の費用を回収するための「容量メカニズム」の検討も今後進む見通しだ。
(電気新聞2016年5月26日付1面)