エネコミ

2016年6月配信

2016年 6月7日
事業用太陽光、再エネ設備認定から運開まで3年期限に/超過なら失効も/エネ庁案

 2017年4月1日の改正再生可能エネルギー特別措置法(改正FIT法)施行に伴い導入する新設備認定制度の下で、経済産業省・資源エネルギー庁は新設太陽光発電の認定から運転開始までの期限を事業用で3年、住宅用で1年とする案を固めた。新制度導入後も未稼働案件が発生するのを防ぐ。期限は認定から運開までの実データなどをもとに設定。期限を過ぎた場合、入札対象外の事業用は買い取り価格を引き下げたり、買い取り期間の短縮を検討する。入札対象の事業用や、住宅用は認定失効を検討する。
 きょう7日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会と新エネルギー小委員会の合同会合で案を示し、委員間で議論する見通し。
 改正FIT法の新設備認定制度は、電力系統への接続契約が締結済みであることなどを条件に再生可能エネルギー設備を認定し、認定時点の買い取り価格を適用するもの。事業の実施可能性が高く、かつ事業内容が適切な案件に限り認定することで、潜在的な賦課金負担の増加要因や後続案件の障害になる未稼働案件の発生を防ぐ狙いだ。現行制度下では、認定と買い取り価格の決定後もコスト低減を待ち、意図的に運転を始めない事業用太陽光が存在した。
 ただ、新認定制度の下で認定しても、運開までの期限が切られていないと、再び未稼働案件が発生するおそれがある。4月の審議会では、早期の運開に向けた動機付けのために、エネ庁から期限を切る案が提起されていた。
 7日の案は太陽光発電が当面の対象。期限超過時の買い取り価格引き下げや期間短縮の程度は調達価格等算定委員会の議題にする方向で検討する。
 新設備認定制度の下での認定要件には、接続契約の締結と運転開始期限のほか、(1)適切な点検と保守(2)設備が不要になった時の適切な処分(3)土地利用や設備安全性に関する法令順守――などが含まれ、法令違反時には認定を取り消せる。エネ庁は認定要件の詳細を7月中にも政省令で定める方向だ。

(電気新聞2016年6月7日付1面)