エネコミ

2016年8月配信

2016年 7月22日
九州電力、出力制御の手順説明へ事業者にパンフレットを発送へ

 九州電力は21日、九州本土で太陽光発電など再生可能エネルギーが急増する中、同社以外の発電設備の出力制御が必要になった場合に備え、各事業者に求める対応内容の説明を始めると発表した。出力制御指示の方法や、太陽光の出力制御機能付きパワーコンディショナー(PCS)への取り換えなどについて解説したパンフレットを、今月末から順次発送する。その後、要望を踏まえて事業者への戸別訪問を実施する。
 需給バランスを維持するため、離島の種子島、壱岐では再生可能エネの出力制御をすでに行っている。本土では5月末時点で、太陽光の接続可能量817万キロワットに対し、接続済みが615万キロワット、承諾済みが342万キロワットに達するなど、出力制御を実施する可能性が高まっている。揚水などの設備トラブルがなければ、今年秋は行わない見通しだ。
 出力制御は電力広域的運営推進機関(広域機関)の優先給電ルールに基づいて行われる。九州電力の火力の出力抑制と揚水発電の動力運転を行った上で、(1)Jパワー(電源開発)など九州電力以外の火力、バイオマス(混焼)の抑制(2)九州域外への供給(3)バイオマス(専焼)の抑制(4)地域資源バイオマスの抑制(5)太陽光、風力の出力制御――の順に実施する。
 九州電力では関係する火力、バイオマス、太陽光、風力の事業者が準備する期間が必要と判断。制御指示は前日夕方までに伝達することや、当日の事業者側の操作内容など、詳細に関する説明活動を始める。
 特に、太陽光は手動で日ごとに制御する旧ルール事業者が約1750件、PCSで時間単位の自動制御をする指定ルール事業者も約2万3千件と多い。出力制御機能付きPCSについては、特高・高圧・低圧10キロワット以上の事業者に対し、メーカーの生産体制を確認した上で、取り換えスケジュールなどを連絡する。

(電気新聞2016年7月22日付3面)