エネコミ

2016年8月配信

2016年 8月3日
九電みらいエナジー、山川バイナリー発電所に着工/2018年2月運開へ

 九電みらいエナジー(福岡市、穐山泰治社長)と九州電力は2日、九州電力山川発電所(鹿児島県指宿市、地熱、2万5960キロワット)の構内で山川バイナリー発電所(4990キロワット)建設工事を開始したと発表した。九電みらいエナジーが山川バイナリー発電所の建設・運営を行い、九州電力が熱供給する。山川発電所の還元熱水を地熱バイナリー方式で有効活用する。2018年2月に運転を開始する予定。発電した電力は、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)を活用し、九州電力に売電する。
 九電みらいエナジーが地熱発電所を建設するのは、15年6月に営業運転を開始した菅原バイナリー発電所(大分県玖珠郡九重町、5千キロワット)に次いで2カ所目。
 山川発電所では地下深部から取り出す高温の蒸気・熱水のうち、タービン向けに蒸気だけを利用し、熱水は井戸を通じて地中に戻していた。この還元熱水を低沸点媒体を使って発電するのがバイナリー発電で、地熱資源をより有効活用することができる。施工は九州電力グループの西技工業、富士電機が行う。
 2日には起工式が開催され、神事が執り行われた。穐山社長はあいさつの中で、このバイナリー発電事業について「未利用のエネルギーの有効活用であるとともに、天候などに左右されない安定した再生可能エネルギー電源」であるとして、事業への意欲をみせた。

(電気新聞2016年8月3日付3面)