エネコミ

2016年10月配信

2016年 10月7日
九州電力・川内1号が定検入り/新基準下で初、124項目を検査

◆「特別点検」で地震影響調査

 九州電力は6日、川内原子力発電所1号機(PWR、89万キロワット)で、新規制基準の下で初めての定期検査を開始した。5日午後6時14分に出力降下を開始、6日午前1時に発電機の解列を行い、定検入りした。原子炉停止は6日午前6時23分。原子炉本体や冷却系統設備など124項目の検査を行うほか、鹿児島県の三反園訓知事の要請を踏まえた「特別点検」を実施する。12月11日に並列、送電再開する予定だ。総合負荷性能検査を経て営業運転に復帰するのは来年1月6日の予定。
 124項目のうち、国の検査である施設定期検査は61項目となっている。この中には、格納容器内の水素爆発を防ぐ静的触媒式水素再結合装置や電気式水素燃焼装置、大容量発電機など、新規制基準に沿って新設した設備の検査16項目が含まれている。定検には最大で九州電力の社員約370人、協力会社の社員約2千人が携わる。
 8日には原子炉容器ふたの開放作業を始め、並行してタービン発電機の開放作業も実施する。また、燃料集合体157体のうち、約3分の1を取り換える。
 一方、「特別点検」は熊本地震による影響を入念に調べる目的で行うもので、10項目。原子炉圧力容器や使用済み燃料ピットに水中カメラを入れての点検、格納容器のスプレー配管点検のほか、安全上重要なポンプ・ファン(計45台)の基礎ボルトの緩みや配管などの支持装置(約3千台)に位置ずれがないかの確認などを行う。
 既に9月27日から、移動式大容量ポンプ車や低レベル放射性廃棄物ドラム缶の固縛状態の点検を始めている。定検入りに伴い本格化する特別点検の実施状況については、三反園知事が視察する意向を示している。
 九州電力は2015年9月10日に川内原子力1号機、11月17日に同2号機(PWR、89万キロワット)の営業運転を再開し、トラブルなく運転を継続してきた。2号機は12月16日から定検を開始する予定。

(電気新聞2016年10月7日付2面)