エネコミ

2016年11月配信

2016年 10月26日
エネ庁/今冬需給は予備率3%以上確保へ、北海道は追加的対策の必要性指摘

 経済産業省・資源エネルギー庁は25日、今夏の電力需給実績と今冬の需給見通しの検証結果について、「電力需給検証報告書」として取りまとめた。今冬の需給見通しでは、厳冬となった2011年度(北海道電力エリアは10年度、東北と東京電力エリアは13年度、沖縄電力エリアは15年度)並みでも、全電力エリアで安定供給に必要最低限の予備率3%以上を確保できる見込み。ただ、北海道電力エリアでは、追加的な需給対策を検討する必要性を指摘した。
 北海道電力エリアにおける17年1月の予備率は、16.2%を確保できる見通し。一方で、他電力からの融通に制約があることや、発電所1基のトラブル停止が予備率に大きな影響を与えることなどを懸念。万が一、需給逼迫が生じた場合に生命や安全を脅かす可能性があるため、過去最大級の電力脱落などを想定した多重的な対策を講じることを記載した。
 全国的な需給対策では、政府が電力会社に対して、発電設備の保守・保全の強化や、デマンドレスポンス(DR)を含めた需給調整契約の促進を要請することを求めた。
 電力広域的運営推進機関(広域機関)に関しては、需給状況を改善する必要がある場合、速やかに広域融通を指示することを明記した。
 さらに、産業界や一般消費者と一体となった省エネルギーキャンペーンを実施するなど、「30年度に向け、徹底した省エネの取り組みを進めていくことが望まれる」と明記した。
 政府は近く、電力需給に関する検討会合(座長=菅義偉官房長官)を開き、今冬の電力需給対策を決める。

(電気新聞2016年10月26日付2面)