エネコミ

2017年1月配信

2017年 1月6日
ネガワット取引の仕組み、分かりやすく/エネ庁がハンドブック作成

 経済産業省・資源エネルギー庁は一般企業や家庭向けに、ネガワット取引の仕組みと参加方法を記したハンドブックを作成した。4月からネガワット取引市場が創設されることを踏まえ、認知度を高める目的。企業や家庭はネガワット取引の主要参加者になるが、エネ庁によると制度がまだ広く知られていないのが悩みという。ハンドブックには需要を減らした分だけ報酬が得られるメリットや、実証事業に参加した企業の感想なども掲載し、仕組みを分かりやすく伝えることに努めた。
 ハンドブックはネガワット事業者(アグリゲーター)が企業や家庭への営業活動に使うことを想定している。エネ庁も広報を行う。ハンドブックにはエネ庁のネガワット実証事業に参加したアグリゲーターの連絡先も記載して、企業や家庭が接点を持ちやすいようにした。
 ネガワット取引に参加する企業や家庭は、電力需要のピーク時などにアグリゲーターからの要請に基づいて需要を減らせば、通常の省エネルギーとは異なり、下げた分だけ報酬を受け取ることができる。
 アグリゲーターは企業や家庭の削減量を束ねるネガワット取引の「司令塔」。アグリゲーターは小売電気事業者とネガワット取引に関する契約を結び、小売電気事業者はネガワットを同時同量の達成に使う。
 また、ネガワットは送配電事業者の調整力としても使われる。昨年秋から行った2017年度の調整力公募には、ネガワット事業者も応募することができた。

(電気新聞2017年1月6日付2面)