九州電力は6日、定期検査に入っていた川内原子力発電所1号機(PWR、89万キロワット)が営業運転に復帰したと発表した。同日、総合負荷性能検査を終え、施設定期検査終了証が交付された。新規制基準合格後、2巡目の営業運転に入ったのは初めて。一方、プラントの実態を洗い出すことで弱点を探り、その部分を補完する「安全性向上評価(FSAR)」については、原子力規制委員会に対し7月上旬までに結果を届け出る方向で準備を進めている。
1号機の定検は2016年10月6日に開始。原子炉等規制法(炉規法)に基づく施設定期検査および定期事業者検査を実施したのは、原子炉本体や原子炉冷却系設備など124項目で、そのうち16項目は新規制基準導入後に追加された。燃料集合体は157体のうち、48体を取り換えた。
FSARは炉規法で義務付けられた事業者が行う自主的、継続的なプラントの安全対策評価制度。九州電力は今後、保安活動実施状況や確率論的リスク評価(PRA)、ストレステストなどを基に評価を策定し、評価結果と安全対策の実施方針を規制委に提出する。
(電気新聞2017年1月10日付1面)