エネコミ

2017年4月配信

2017年 4月10日
九州電力、海自と災害時協定締結/人員、資機材輸送など相互協力

 九州電力は7日、海上自衛隊佐世保地方総監部と災害発生時の連携に関する協定を締結した。海上自衛隊佐世保地方総監部(長崎県佐世保市)で式典が開かれ、九州電力の瓜生道明社長、荒牧智之副社長・危機管理官と海上自衛隊佐世保地方総監の佐藤誠海将が出席した。同協定は南海トラフ沖巨大地震や局地的豪雨などを念頭に両者の情報共有、海自による人員・資機材の輸送などで相互に協力する内容となっている。九州電力が海自とこうした協定を結ぶのは初めて。
 瓜生社長は「協定締結はゴールではなく、『出発点』だ」と強調。「九州において災害復旧に従事する組織同士が連携を密にし、オール九州としての災害対応能力向上に寄与したい」と力を込めた。
 同協定には、海自が九州電力に対して災害復旧に必要な資機材や人員の輸送を実施。九州電力は救援活動に必要な基地施設、活動拠点への電源供給、救援活動に必要な施設や敷地などを提供するなどといった内容が盛り込まれている。
 また年間1回以上、会議や訓練を実施。平素から「顔の見える関係」を構築し、各種災害対応に関する課題を共有する。
 九州電力は、熊本地震対応の経験などを踏まえ、災害対応力強化へ検討を重ねてきた。離島が多い九州の状況を鑑み、同協定によって多様な輸送手段を確保し、災害時に備える。
 同協定の範囲は九州電力の供給区域における佐世保地方隊の警備区に限られるため、大分、宮崎の両県は含まれない。同日に交わされた覚書には、佐世保地方隊が両県を管轄する呉地方隊と調整を行うことが明記されており、九州電力供給区域における実効性が担保されている。

(電気新聞2017年4月10日付3面)