エネコミ

2017年5月配信

2017年 5月1日
[16年度決算]九州電力/川内安定稼働で黒字

 九州電力が28日発表した2016年度連結決算は、経常損益、純損益ともに2年連続の黒字を確保した。川内原子力発電所の安定稼働や燃料価格の下落による燃料費の減少などが寄与した。諸経費の減少により、前回1月末に発表した予想値に比べ、経常利益と純利益はいずれも192億円増加。このため、普通株1株当たりの期末配当は15円(前回発表10円、前年度期末実績5円)に増やす。A種優先株式は16年度分として総額35億円を配当。17年度の利益、配当は玄海原子力発電所3、4号機の再稼働時期を見通せないことなどから未定としている。
 16年度末の自己資本比率は連結12.0%(前年度末10.1%)、単独10.5%(同8.9%)に改善した。
 16年度の販売電力量は前年度比0.7%減の786億1900万キロワット時。販売電力量の減少に加え、燃料費調整による料金単価の低下が響き、売上高が減った。燃調の期ずれ影響は収入を110億円程度押し下げた。
 費用面では燃料費が大幅に減少。修繕費も全体では増加したものの、原子力を除くと火力、流通など全部門で減少した。その他、熊本地震による特別損失104億円を計上した。
 17年度の販売電力量は前年度比23億キロワット時減の763億キロワット時を見込む。原油CIF価格は同12ドル高の1バレル=60ドル、為替レートは同7円円安の1ドル=115円と想定する。

(電気新聞2017年5月1日付5面)