九州電力は31日、同社が展開する「みまもりサポート」を活用した社会実験をきょう1日から始めると発表した。一人暮らし高齢者宅の電気使用状況に異常があればメールで通知するという同サービスを活用し、地域住民が見守り活動を行う。九州電力は福岡市と福岡市社会福祉協議会の支援・協力を得て11月30日まで社会実験を実施し、サービスの改善点などを検証する。
社会実験は福岡市城南区別府校区で行われ、参加を希望した一人暮らし高齢者30人程度を見守り対象として実施する。見守るのは、別府校区社会福祉協議会に参加する地域住民約50人。電気使用状況の異常を知らせるメールをきっかけに訪問や電話による高齢者の安否確認につなげる。
31日に電気ビル本館(福岡市)で会見を開いた九州電力の渡辺義朗取締役・常務執行役員・エネルギーサービス事業統括本部副統括本部長・営業本部長は「エリアとしてどうやって高齢者を見守っていくかという新しい試みだ」と意義を強調した。
同サービスではカメラなどの機器を設置する必要がなく、見守られる側にかかる心理的負担は小さいという。こうした負担感についてもアンケートを通じて検証する。
別府校区社会福祉協議会は小学校区単位でつくられている地域住民の自主組織で、地域福祉活動に取り組んでいる。
同サービスは離れて暮らす家族を想定したものだが、地域の見守り活動に使うことはできないかなどの問い合わせが多く寄せられていた。
九州電力の「みまもりサポート」は2016年10月18日にサービスを開始した。
(電気新聞2017年6月1日付3面)