エネコミ

2017年6月配信

2017年 6月5日
九州電力、自己資本比率21年度末に20%へ/5ヵ年の財務目標を設定

 九州電力は2日、2021年度末に連結ベースで自己資本比率20%程度を目指すなど、今後5カ年の財務目標を設定したと発表した。東日本大震災以降に毀損(きそん)した財務基盤の回復が急務なことに加え、玄海原子力発電所3、4号機の再稼働がおおむね見通せる段階となったことを踏まえ、15年に策定したグループ中期経営方針に新たに数値目標を盛り込んだ。経常利益(17~21年度平均)は1100億円以上、再生可能エネルギーなど成長分野への事業投資額(17~21年度累計)は4200億円を掲げた。
 同社は震災以降、競争環境の激化や原子力発電所の長期停止に伴い、自己資本比率は10年度の25.4%から14年度には9.0%まで低下。川内原子力発電所の再稼働などにより、16年度は12.0%まで回復した。引き続き、安定的にグループ経営を行い、財務基盤の回復・強化を狙い今回の目標を定めた。
 この目標達成とさらなる成長への源泉確保を図るため、経常利益は16年度の940億円から160億円超増の1100億円以上を目指す。純利益ベースでは800億円程度を見込んでいる。さらに、海外電気事業や再生可能エネ事業など、成長分野と位置付ける事業への投資として4200億円を設定。うち、海外分野は550億円、再生可能エネ分野は850億円。
 これら目標達成に向けた具体的な行動計画となる17年度経営計画も策定した。九州域内のエネルギーサービスと成長分野でのグループ一体となった事業展開、強固な事業基盤の構築を戦略の柱とし、持続的な成長を目指す考えだ。

(電気新聞2017年6月5日付1面)