エネコミ

2017年6月配信

2017年 6月19日
九州電力、大分・九重町で地熱資源調査/地元が同意、7月着手へ

 九州電力は16日、大分県九重町の涌蓋(わいた)山東部地域で地熱資源調査を開始すると発表した。調査に必要な法手続きを行い、地下構造を把握するための地表調査などを7月下旬にも始める。調査の結果、地熱資源が期待できる地熱構造が確認された場合には調査井を掘削する。現時点では2021年度に事業化判断を行う予定だ。
 九州電力は条例に基づき九重町に地熱資源調査を申し入れていた。九重町地熱発電事業検討委員会の審議を経て14日付で同意書の交付を受けた。
 地表調査では、重力を測定することで地下深部の構造を推定する重力探査や、地中の電気、磁気を測定して岩石の分布や地下構造を推定する電磁探査などを行う。これらの調査には石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の補助金を活用する予定だ。
 九州電力は17年度経営計画で再生可能エネルギー事業の拡大を掲げ、2030年のグループ開発量目標を設定した。地熱は国内で新たに20万キロワット開発する計画。九州電力は涌蓋山東部地域のほか、九州内5地点で調査を行っている。

(電気新聞2017年6月19日付3面)