原子力規制委員会は25日、関西電力大飯発電所3、4号機(PWR、各118万キロワット)と九州電力玄海原子力発電所3号機(PWR、118万キロワット)の工事計画を認可した。いずれも蒸気発生器(SG)が4台ある「4ループ」型で、新規制基準施行後に4ループ型が工事計画認可(工認)を受領したのは初めて。両社が申請中の保安規定変更認可を受領すれば、書類上での許認可手続きは全て終了となる。工認から再稼働には、通常4~5カ月程度かかるため、3基の運転再開は今冬以降が見込まれる。
玄海3号機は1月、大飯3、4号機は5月に原子炉設置変更許可を受けた。工認の補正書は大飯3、4号機が5回、玄海3号機が4回提出された。大飯、玄海とも7月に出した補正申請が最終との見方が出ていたが、規制委から新たな指摘事項があり、審査が続いていた。
8月3、10日の審査会合で、関電、九州電力は規制委側から指摘のあった主蒸気逃がし弁、加圧器逃がし弁の地震時の動的機能維持について、加振試験に基づく成立性を説明。審査での議論を踏まえ、両社は同15日にあらためて補正書を提出していた。
大飯3、4号機、玄海3号機が今回工認をクリアしたことで、両社は今後速やかに使用前検査の申請を行う見通し。九州電力は設置変更許可を受けている玄海4号機の工認も目指す方針で、これらが全て再稼働を果たせば、新規制基準に適合して運転再開する国内の原子力プラントは9基となる。
(電気新聞2017年8月28日付1面)