エネコミ

2017年8月配信

2017年 8月30日
九州電力/玄海3号機の使用前検査を申請、来年1月の起動想定

 九州電力は28日、玄海原子力発電所3号機の使用前検査申請書を原子力規制委員会に提出した。申請書に明記した九州電力の予定では、9月11日に使用前検査を開始する。燃料装荷後、来年1月に原子炉を起動・並列し、定格熱出力一定運転に移行する。最終的な検査を経て、2月をめどに営業運転を再開する予定だ。
 使用前検査では、安全対策設備が認可された工事計画の通りであることなどについて、各種検査によって国の確認を受ける。
 九州電力は申請書の中で、設備の材料や寸法、耐圧・漏えいなどを見る検査を9月11日に開始。続いて、蒸気タービンの構造を確認する検査と、燃料装荷前までにポンプ類や発電機の性能を確認する検査を行い、いずれも11月までに終了させる。
 その後、実際に燃料を装荷し、起動前の検査を実施。来年1月から原子炉を起動、2~3日程度かけて電力系統に並列させる。同月中に定格出力運転に移行し、総合的な性能を確認した後、2月にも営業運転を再開させる。
 既に再稼働を果たした川内原子力発電所1、2号機と、玄海3、4号機の稼働は、同社の現行電気料金の前提条件。玄海2基の稼働による収支改善効果は1カ月当たり約90億円で、3号機のみでもその半分程度が見込める。3年連続の黒字達成、自己資本比率の回復など財務体質の改善に大きく寄与する。
 このため、同社では玄海3号機の使用前検査に適切に対応するとともに、4号機の工事計画認可申請、3、4号機の保安規定変更認可申請について、引き続き国の審査に丁寧に対応し、2基の早期再稼働を目指す。

(電気新聞2017年8月30日付1面)