九電みらい財団は27日、間伐・間伐材利用推進ネットワークから「Forest Good2017間伐・間伐材利用コンクール」の「間伐実践・環境教育部門」で特別賞を受賞した。同財団は九州電力の社有林「くじゅう九電の森」(大分県由布市)を使い、主に小中学生を対象に間伐体験など様々な環境教育を実施している。これら体験型の環境教育で次世代層の育成に貢献したことに加え、運営体制や安全管理などの活動品質も評価された。
同日に都内で表彰式を開き、九電みらい財団の田中徹代表理事が表彰状を受け取った。田中代表理事は「九州電力グループの『ずっと先まで、明るくしたい。』という理念を体現した取り組みが評価され感謝したい」と受賞の喜びを語った。今後も次世代を担う人材の育成に貢献する取り組みを積極的に展開していく考えだ。
九電みらい財団は2016年5月に設立し、林業体験などを通じて子供たちの環境保全意識を啓発している。環境教育には16年度に738人が参加し、17年度には約1300人の参加が見込まれるなど、着実に活動実績を積み上げている。
間伐体験では九州電力社有林を長年管理してきた九州林産と連携し、林業の専門家を交えて安全管理を徹底しながら行っている。間伐材を使った木工教室で黒板や鉛筆を作ってもらい、思い出や環境への意識が継続するような工夫を施している。「森の講話」と題して独自テキストを使った講座も開いている。
コンクールでは製品づくり・利用部門に34件、間伐実践・環境教育部門に28件の応募があった。間伐の推進や間伐材の利用に特に貢献した案件をたたえ、林野庁長官賞や間伐・間伐材利用推進ネットワーク会長賞などが贈られた。
設立2年目の九電みらい財団は認知度向上の一環としてコンクールに応募。専門家で構成した審査委員は活動の計画性や継続性、安全面への配慮、地域住民からの積極的な参加などを評価項目にして受賞者を選んだ。
(電気新聞2017年10月30日付5面)