エネコミ

2017年12月配信

2017年 12月18日
九州電力が米ガス火力に初参画、双日から権益取得

 九州電力は15日、米国ペンシルベニア州で建設中の天然ガス火力発電所「バーズボロー発電所」の権益11.1%を双日から取得し、発電事業に参画すると発表した。同社は海外電気事業などを成長事業と位置付け、これまでアジアを中心としたIPP(独立系発電事業者)事業を軸に展開。さらに、欧米など新たな国・地域への進出を目指しており、今回初めて米国での発電事業に参画することになった。
 同案件の事業総額は約5億ドルとみられ、今年4月に双日と東京ガスが、米国の大手インフラ投資会社「アレスEIFマネジメント」から同発電所の権益をそれぞれ3分の1取得している。
 バーズボロー発電所は、ガスタービンコンバインドサイクル発電方式を採用し、合計出力は48万8千キロワット。燃料となる天然ガスは、ペンシルベニア州内のマーセラス・シェールガス田などから調達する。
 2019年5月頃に予定する営業運転開始に向けて建設を進めている。運転開始後は、米国最大の卸電力市場PJMを通じて、米国北東部に電力を供給する予定だ。
 九州電力グループでは、中期的な経営戦略の柱の一つに、海外電気事業の強化を掲げており、発電事業の持ち分出力を17年の153万キロワット(6月時点)から、30年に500万キロワットへ拡大することを目標としている。

(電気新聞2017年12月18日付1面)